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自社株承継の方法を考える【実践!事業承継・自社株対策】第290号

自社株承継の方法を考える【実践!事業承継・自社株対策】第290号

2026.03.05

Q:当社は父が創業した会社で、私が後継者となる予定です。株式の承継ついてはいろいろ検討しましたが、事業承継税制は使わない予定です。

毎年株式の評価をして、基礎控除の範囲で少しずつ贈与を受けていますが、毎年株価が上がっていくので、相続時精算課税を使った方が良いのかとも考えていますが、いかがでしょうか。

 

A:自社株の贈与の仕方には、いろいろあるかと思います。

ご質問のように、暦年課税の基礎控除の範囲内で、少しずつ贈与していくのも1つの方法です。

それだとなかなか自社株の移転が進まないようであれば、贈与株数を増やして、たとえば最低税率10%の範囲310万円程度まで贈与額を増やしていくことも考えられます。

お父様の財産が多い場合は、さらに贈与額を増やして、贈与税を負担しても相続財産を減らしていく、ということも考えられます。

暦年課税の特徴は、贈与をしてしまえば相続財産に持ち戻されることはなく、移転が完了するということです。

相続時精算課税を使って自社株を贈与する方法も有効です。
特に令和6年から相続時精算課税にも、110万円の基礎控除ができたので、なおさらです。

相続時精算課税の場合には、贈与した財産は、贈与時の価額で相続財産に持ち戻されることになりますが、基礎控除110万円分は、持ち戻されません。

したがって、基礎控除の範囲内であれば、暦年課税でも相続時精算課税でも、贈与で移転が完了することになります。

相続時精算課税には2,500万円の特別控除もありますので、株価が低いうちに、基礎控除を超えて贈与をしてくことも考えられます。

さらに、業績等の理由で一時的に株価が下がったときに特別控除の範囲内で、多めに贈与することもできます。

また、お父様が退任して代表交代をするときには、お父様に退職金を支払うことによって、大幅に株価が下がった際には、残りの株式をすべて贈与を受けてしまうことも考えられます。

この場合には、特別控除が累計2,500万円を超えた部分については、20%の贈与税を支払うことになりますが、この税金は相続の際に精算することになります。

以上のような、両課税方式の特徴を考えながら、贈与を活用していくと良いのではないかと思います。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

事業承継税制の特例措置もあと2年を切ってきました。
事業承継税制を使うと様々な制約が出てくるので、使わない選択をされる会社も多いですね。その場合には本日のように毎年株価を評価して、毎年贈与を考えていく、株主構成を検討していく、ということが重要かと思います。
会社の大事な株式ですので、長期戦略で考えていきたいですね。

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