実践!事業承継・自社株対策
持合い株式がある場合の株価評価【実践!事業承継・自社株対策】第288号

2026.02.19
Q:当社は現社長と取締役である私の2人で創業した会社です。
株式は社長が32%、私が28%、創業以来の協力会社であるA社が25%、社員数名が15%を持っています。
A社とは良好な関係を築いており、当社もA社に30%を出資しています。
私の株式は、社長が30%以上を持っているため、配当還元方式で評価できると考えていますが、間違いないでしょうか。
A:議決権割合が50%または30%以上の同族株主グループがいる会社の場合、同族株主以外の株主は、配当還元方式で評価することができます。
貴社の場合、確かに社長が30%以上の株式を保有しているので同族株主となり、ご質問者の保有する株式は30%未満であるため、配当還元方式が適用されるかに思われます。
ただし、A社とは相互に株式を持ち合っているため、この株式が問題となります。
会社法の規定により、自社が議決権を25%以上保有する会社が、自社の株主となっている場合は、その会社が保有する株式は議決権がないものとされています。
貴社はA社の株式を30%保有しており、25%以上の議決権を保有しています。したがって、A社の保有する貴社の株式25%は議決権がないことになります。
この場合の株式評価は、財産評価基本通達において、A社の持つ株式の議決権数は0として、評価方式の判定をすることになります。
そこで、A社の25%を除いた75%の株式数を100として議決権割合を計算すると、次のようになります。
ご質問者の議決権割合 28%÷75%= 37.3%
社長の議決権割合 32%÷75%= 42.6%
ご質問者の議決権割合は30%以上となり、社長の議決権割合は50%以上とならないため、ご質問者も社長も同族株主ということになり、原則的評価方式となります。
原則的評価方式は、類似業種比準価額や純資産価額を用いて評価することになります。
なお、相続や贈与があった場合の株式評価は取得者ごとに判定しますので、申し添えておきます。
《担当:税理士 北岡 修一》
編集後記
今日の相互持合い株式は、うっかり見逃してしまうことも多いですね。
法人が株主になっている場合には、その関係によく注意しておく必要がありますね。
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