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実践!相続税対策

不動産賃貸業を相続した場合の届出【実践!相続税対策】第702号

不動産賃貸業を相続した場合の届出【実践!相続税対策】第702号

2025.07.09

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

相続が起こると、役所への様々な手続きや届出、税務の申告などをやっていく必要があり、これらには当然、期限があります。

遺産の確定や遺産分割、預金や有価証券の名義変更などに追われていると、肝心の税務署への届出などを失念し、税務上不利になってしまうことがあります。

特に親が事業をやっていた場合には、要注意です。多いのは、不動産賃貸業です。

アパートやマンションを相続すると、その相続した方が事業主になりますので、様々な届出が必要になってきます。

これらを、いつまでにやるのかを、忙しい中でも頭に入れておく必要があります。

まずは、「個人事業の開業届」です。
不動産賃貸業を始める、という届出ですね。

これは原則、相続開始後1か月以内に出します。ただし、遅れても罰則等、問題はありませんので、次の書類と一緒に出せばよいかと思います。

重要なのは、「青色申告の承認申請」です。
亡くなった方が、青色申告だった場合は次のとおりです。

死亡日により、届出期限が変わってきます。
・死亡日:1月1日~8月31日  死亡日から4か月以内
・死亡日:9月1日~10月31日 その年の12月31日まで
・死亡日:11月1日~12月31日 その年の翌年2月15日まで

あまり時間がないので、うっかりすると過ぎてしまいますので、要注意です。

亡くなった方が、青色申告をしていなかった場合は、亡くなってから2か月以内、あるいはその年3月15日のいずれか遅い日までです。

配偶者などに給料を支払う場合は、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。

これは、事業を引き継いだ日から2か月以内に出す必要があります。

間に合わなかった場合には、給与を出そうとする年の3月15日までに提出をすれば、その年から必要経費に算入することができます。

同時に「給与支払い事務所の開設届」や「納期の特例の申請」を出す必要もありますね。

納期の特例は、給与から控除した源泉所得税を、毎月ではなく、1月と7月に支払えるという特例です。

その他、亡くなった方が消費税を支払っていた場合(消費税の納税義務者)は、消費税に関する届出書も提出する必要があります。

ただ、不動産賃貸業の場合、住居用のマンションやアパートが多いでしょうから非課税となり、ほとんどの場合、消費税の納税義務者ではありません。

ですので、ここでは省かせていただきます。

青色申告は税務上の特典も多いですので、相続で慌ただしくても、期限に遅れないように注意していただければと思います。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

上記、消費税は省かせていただきましたが、オフィスや店舗などの事業用の賃貸や、駐車場などは消費税の課税対象となります。
したがって、これらの賃貸収入が年1,000万円以上となる場合は、消費税の納税義務者となってきます。

その場合には、簡易課税の届出もしておかないと消費税が高くなってしまう可能性がありますね。
相続があった年に簡易課税を受けるには、その年の年末までに提出が必要になってきます。ちょっと慌ただしいですね。
ただし、12月に亡くなった場合は、翌年2月末までに出せば、亡くなった年から適用できます。

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