生前贈与にかかる贈与税申告書の確認【不動産・税金相談室】

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Q 父が亡くなったため、相続税申告の準備をしておりますが、生前に父より住宅資金として贈与を受けていた妹が、当時の贈与税申告書を紛失してしまったそうです。

相続税申告にあたって、どのように対応すべきでしょうか。

A 相続税の計算上「相続開始前3年以内に受けた贈与」または「相続時精算課税制度を適用して受けた贈与」については、相続時に精算・調整しなければなりません。

この場合、ご質問者本人だけでなく、相続人全員の過去における贈与税申告の情報が必要です。

仮に、贈与税申告書の控えがなくとも、その内容を把握しているのであれば、相続税の計算・申告をすることもできますが、万が一、内容に誤りがあれば相続税申告を修正することとなりますので、過去の贈与税申告書の控えなどから、ご確認をいただきたいと思います。

ご質問のように、過去の贈与税申告書を紛失するなど、申告内容が不明な場合には、次の3つの方法で確認することができますのでご参考ください。

(1)申告書等の閲覧申請

贈与税の納税者本人(ご質問の場合には贈与税申告の納税義務者である妹)の申請により、過去の贈与税申告書を閲覧することができます。
    
閲覧ですのでコピーは不可であり、記録が必要な場合には、原則として書き写すこととなりますが、昨年から一定の条件の下で、写真撮影も認められるようになりました。

(2)申告書等の開示請求

贈与税の納税者本人の請求により、過去の贈与税申告書の開示請求をすることができます。

開示請求の場合、申告書のコピーを取得することができますが、開示にかかる決定が30日以内に行われることとなるため、閲覧申請に比べて時間を要することになります。

(3)過去の贈与税申告の開示請求

前述のとおり、相続税の申告では、他の相続人が生前に受けた贈与税申告の情報が必要となりますが、申告書を紛失してしまったり、他の相続人から申告内容の提示を受けられないなどのケースもあります。

相続税の申告において、他の相続人の贈与税の申告内容を確認する必要がある場合には、贈与税の納税者本人ではない相続人(ご質問の場合におけるご質問者)も、所定の手続きにより、過去の贈与税申告書の開示請求をすることができます。

ただし、相続税申告に必要のない期間などは開示の対象となりません。

なお、贈与の詳細は不明ですが、暦年課税による住宅取得資金の贈与の特例を受けたものについては、たとえ3年内であっても相続税計算上の調整は不要です。

相続税の申告において調整・精算が必要な贈与であるかどうかは、その贈与の時期や内容から、判断する必要がありますのでご注意ください。

《担当:樋口》

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