相続税の納税資金確保のための不動産譲渡【不動産・税金相談室】

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Q 母の相続により、相続税の納税が大きくなりそうです。
納税資金が足りないため母が残した不動産の一部を売却しようと思います。
相続税の申告前に、不動産の売却は可能でしょうか。
その場合の注意点などありましたら、教えてください。

A 納税資金確保のために、不動産を売却することは、よくあることです。

相続税の申告期限前に不動産を売却することは可能ですが、次のことに注意する必要があります。

○ 売却物件は、相続税の対象となる
○ 相続税の小規模宅地の特例が、受けられなくなる
○ 譲渡益が出る場合は、譲渡所得税が発生する
○ 所有期間によっては、譲渡所得税の税率が高くなる
○ 売却物件の相続登記が、必要である
○ そのため、相続人が複数いる場合は、遺産分割協議書が必要となる
 
売却物件については、相続税の申告期限前に売却しても、当然、相続税の対象財産ですので、お母様が亡くなったときにおける土地、建物の評価をする必要があります。

また、その物件が、小規模宅地の特例の対象となる場合、たとえば、貸付事業用宅地については、200m2まで50%評価減をすることができます。

この特例を適用する場合には、申告期限まで貸付事業を継続していること申告期限までその物件を所有していることが、要件となります。

したがって、その物件を申告期限前に売却すると、この特例が受けられなくなりますので、注意が必要です。

次に、不動産を売却して、売却益が出る場合です。
これは、譲渡所得税の計算の対象となりますから、まずは、取得日を謄本で確認してみてください。

相続で取得した場合は、お母様が取得した日を引き継ぐことになりますからいつ取得したかを確認する必要があります。

売却年の1月1日において、所有期間が5年以下の場合は、税率 39%(住民税含む)、所有期間が5年を超える場合は、税率は 20%となります。

最後に、登記についてですが、売却する場合には、相続登記が必要です。
相続人が1人の場合は、問題ありませんが、相続人が複数いる場合には、遺産分割協議が必要となります。

不動産をいくつか所有している場合には、以上のようなことを考慮しつつどの不動産を売却したらよいかを検討するなど、なるべく早くとりかかることをお勧めします。

《担当:宮田》

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