実践!相続税対策
相続税の2割加算とは【実践!相続税対策】第760号

2026.08.26
皆様、おはようございます。
資産税部の太田遼です。
本日は、相続税の計算において税額が上乗せされる「相続税の2割加算」という制度について、その概要と注意点をお話しいたします。
相続が発生し、いざ相続税を計算する際、財産を受け取る人と亡くなった方(被相続人)との関係性によっては、本来の相続税額に20%が加算されるルールがあります。
これが「相続税の2割加算」と呼ばれるものです。
では、具体的にどのような人がこの2割加算の対象になるのでしょうか。
それを分かりやすく理解するためには、まず「誰が対象外になるのか」を押さえておくのが一番の近道です。
結論から申し上げますと、相続税の2割加算の「対象外」となるのは、被相続人の「配偶者」「父母」「子」のみです。
つまり、これらの一親等の血族および配偶者以外の方が財産を取得した場合は、原則として2割加算が適用されることになります。
具体的に2割加算の対象となるのは、被相続人の「兄弟姉妹」や「甥・姪」、孫、あるいは遺言によって財産を譲り受けた「第三者(友人や内縁の妻など)」です。
なぜこのような制度があるかというと、兄弟姉妹や第三者は配偶者や子に比べて、被相続人の財産に対する依存度が低いためです。
また、孫への遺贈などは、本来「親から子」「子から孫」と2回課税されるはずの相続税を1回免れることになるため、その分の負担を調整する意味合いがあります。
そこで、この2割加算に関しては、注意すべき点がいくつか存在しますので紹介していきます。
まず1つ目の留意点は、「孫を養子にした場合(孫養子)」の取り扱いです。
孫を養子に迎えることで、基礎控除額や死亡保険金の非課税額を増やし、さらに一代飛ばしで財産を渡すことで相続税を1回分回避する、という相続税対策があります。
この場合、孫は「子」として法定相続人になるものの、2割加算の対象からははずれませんので、注意が必要です。
ただし、孫が相続するケースでも、代襲相続人(被相続人の子が既に亡くなっており、代わりに孫が相続するケース)である場合は、2割加算の対象外となります。
2つ目は、「兄弟姉妹」が相続する場合です。
子のいないご夫婦の場合、残された配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人になるケースはよくあります。
このとき、兄弟姉妹が負担する相続税には自動的に2割加算が適用されるため、想定よりも手元に残る財産が少なくなってしまう点に注意が必要です。
3つ目は、「生命保険金の受け取り」に関する留意点です。
孫や第三者を生命保険金の受取人に指定している場合、その死亡保険金には相続税がかかりますが、法定相続人ではないため「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が使えません。
さらに、納める相続税額にはしっかり2割加算が適用されてしまいますので、要注意です。
このように、誰に財産を遺すかによって、最終的な相続税の負担額は大きく変わってきます。
遺言書の作成や養子縁組、生命保険の活用などをご検討されている場合は、この2割加算の影響をあらかじめシミュレーションしておくことが大切です。
ご不明な点がございましたら、ぜひお早めに専門家へご相談ください。
《担当:資産税部 太田 遼》
編集後記
先日、弊社代表のご息女が出演される演奏会に足を運んでまいりました。
普段、ヴァイオリンやハープの音色を聞くことがない私ですが、生演奏の音色に包まれる時間は、心身ともにとても良いリフレッシュになりました。
柄ではないですが、たまには芸術に触れて、感性を磨くことも大切だと思いました。
また、そのあとには会社の諸先輩方と税理士試験後、初の飲み会にも行けてとても充実した1日となりました。
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