実践!事業承継・自社株対策
第4回目の有識者会議【実践!事業承継・自社株対策】第308号

2026.07.09
Q:つい先ごろ、取引相場のない株式の評価に関する第4回目の有識者会議が開かれたようです。
そこでは、どのようなことが議論されたのでしょうか。
A:第4回目の有識者会議の公表された資料によると、まずは改めて、会計検査院と国税庁から提示された論点が確認されています。
その上で、各委員からの今までの意見の整理・検討がまとめられ、さらに各種参考資料や裁判例、各種スキーム事例を掲出した上で、各委員に評価方式について意見を求める、という流れのようです。
いわば、今までの総括を一旦した上で、いよいよ具体的な評価方式をどうするかの検討に入っていくということかと思います。
以下、上記の各委員からの今までの意見の整理・検討のまとめから、いくつかピックアップして紹介します。
●類似業種比準方式の見直しについて
・類似業種比準方式には一定の理論的合理性はあるが、算定方法等に理論的・実証的な裏付けがないことから廃止した方がいいのではないか
・業種目判定の困難さ、赤字が続くと特定の評価会社になり評価額が上昇する問題がある
・類似業種比準方式は、親会社単体の利益のみで評価するため、過小評価とならないか
・類似業種比準方式は、簡便性等の点から優れており、事業承継の役割を担ってきた一連の流れと歴史があることから、見直しには慎重であるべき
・非経常的な損失が加算されず、課税時期を考慮して恣意的な株価操作が可能である
●純資産価額方式の見直し
・継続企業を清算価値に相当するもので評価することに合理性はあるのか
・時価純資産に営業権を適切に反映させて評価するのが良いのではないか
・退職給与引当金等の一部負債が控除できないなど、今の純資産価額は高すぎる
・評価会社が有する資産を全て相続税評価額へ洗替えることに対する事務的負担が大きく、コストもかかるから、類似業種比準方式が担ってきた事業承継の役割を担うことはできない
●配当還元方式の見直し
・還元率(10%)を引き下げるとしても、従業員持株会が事実上設立できなくなったり、少数株主の整理がより難しくなりかねない
・無配当の場合の1株当たりの配当額を2円50銭(資本金等の額を50円として計算)とする取扱いについても問題があるのではないか(資本金が巨額でも低い株価が算出される)
・固定価格制の従業員持株会の株式を譲渡する際に配当還元価額との差が問題となる
・株主の議決権割合のみでなく持株割合も用いて対象株主を判定してはどうか
これからの評価方式をどうするかの議論に注目したいですね。
是非、国税庁の有識者会議の資料を見ていただければと思います。
→ https://www.nta.go.jp/about/council/nai-hyoka/20260703/pdf/04shiryo_kabukaigi.pdf
《担当: 税理士 北岡 修一》
編集後記
あっという間に7月も初旬から中旬へ、蒸し暑い日々が続きますね。
水分補給しっかりして、健康に注意していきましょう
メルマガ【実践!事業承継・自社株対策】登録はコチラ
⇒ https://www.mag2.com/m/0001685356.html


