不動産 税金相談室
換価分割と代償分割【不動産・税金相談室】

2026.07.14
Q 親の遺産を兄弟2人で分けることになりました。主な財産は不動産と少しの預貯金だけです。
不動産を分ける方法として「換価分割」や「代償分割」という言葉を聞いたのですが、それぞれどのような方法なのでしょうか。
税金面などの注意点も含めて教えてください。
A 不動産のように、2つに切り分けられない財産を分ける際によく使われる代表的な2つの分割方法です。
まず「換価分割」とは、
一言でいうと「不動産を売却して現金に換え、そのお金を分ける方法」です。
メリットは、1円単位まで公平にきっちり分けられる点です。
ただし、税金面で注意が必要です。
不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対しては譲渡所得税がかかります。
この税金は、お金を分けた相続人全員に、それぞれの取り分に応じてかかってきます。
代表して相続人の1人の名義にして売却し、その後現金を分ければいいと安易に手続きをすると、代表者だけに重い税金が課されるなど、トラブルの元になりかねません。
これを防ぐには、遺産分割協議書への正しい書き方が必須です。
次に「代償分割」とは、
「相続人の1人が不動産を相続し、その代わりに、他の相続人に現金を支払う方法」です。
たとえば、兄が実家(価値2,000万円)を相続する代わりに、弟へ自分の預金から1,000万円を支払う、という方法です。
メリットは、実家を売らずに誰かが引き継げる点です。
デメリットは、不動産をもらう側に相応の現金がないと、そもそもこの方法を選べないという点です。
また、代償分割で支払うお金は、遺産分割協議書に「代償金として支払う」旨を明記しないと、税務署から贈与とみなされ、高額な贈与税がかかってしまう危険性があります。
なお、代償金は現金ではなく、自分が持っている別の不動産などで支払うことも可能ですが、その場合は渡した側に譲渡所得税がかかることがあります。
このように、どちらの方法を選ぶかによって、手続きの進め方はもちろん、後からかかってくる税金の種類や金額が変わります。
どちらの方法を選ぶにしても、遺産分割協議書の作り込みや、事前にいくら税金がかかるか、シミュレーションをしておくことが極めて重要です。
良かれと思って選んだ方法で、想定外の税金がかかってしまうことにならないよう、遺産をどう分けるか決める前に、専門家に相談することをお勧めいたします。
≪担当:税理士 宮田 雅世≫
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