実践!事業承継・自社株対策
死亡退職金を支払った場合の株価への影響【実践!事業承継・自社株対策】第285号

2026.01.29
Q:前回(280号参照)死亡退職金と勇退退職金についての違いをうかがいましたが、死亡退職金を支払った場合の株価計算をもう少し詳しく教えてください。
A:承知しました。
まず、再度確認になりますが、死亡退職金を支払う場合、相続時の類似業種比準価額への影響は一切ありません。
例えば、12月決算法人で、令和7年に相続があった場合、令和6年12月期の決算書を基に計算する必要があります。
類似業種比準価額の比準要素となる、『配当・利益・純資産』は全て令和6年12月期の数字を使うことになるため、相続により生じた死亡退職金の影響はありません。
つまり、会社規模が大会社である場合は、類似業種比準価額により基本的には評価することになりますので、死亡退職金の影響はないことになります。
当然、令和7年12月期の類似業種比準価額を計算する際には、実際に死亡退職金を支払っていることから、利益や純資産が減少しており、結果として、類似業種比準価額も減少します。
一方、純資産価額は、死亡した日(課税時期)の仮決算書を作成するか、令和6年12月期の決算書を基準に評価することができます。
令和6年12月期の決算書を基準に評価した場合でも、死亡退職金の額を負債に織り込むことが可能となっています。
また、純資産価額への影響は、生命保険加入の有無で変わってきます。
生命保険に加入していない場合は、死亡退職金の額を負債に計上するだけです。その分、純資産価額が減ることになります。
なお、この死亡退職金は、みなし相続財産として相続税の課税価格に算入されます。
生命保険に加入している場合は、生命保険金の請求権(受取保険金の額)を資産の部に計上する必要があります。
生命保険金に対して、保険積立金を計上している場合、相続税評価ではその金額を、受取保険金の額で評価します。
一方負債には、以下の金額を計上することになります。
1.死亡退職金
2.保険差益に対する法人税等
(受取保険金の額-保険積立金の額-死亡退職金)×37%
なお、死亡退職金を支払う場合は、事前に役員退職金規定などを作成し、金額はもとより受取人の指定なども、適切な方が受取れるように定めておく必要があります。
《担当:税理士 青木 智美》
編集後記
気が付いたら年もすっかり明け、もう1月も終わりそうです。
本当にこの時期は、確定申告が終わるまで毎年、あっという間に時間が過ぎていきます。
気温もさすが1月と思うほど、急に冷え込んできました。
体調を崩されている方を多く見かけます。お気をつけてお過ごしくださいませ。
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