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自社株式の現状確認【実践!事業承継・自社株対策】第279号

自社株式の現状確認【実践!事業承継・自社株対策】第279号

2025.12.11

Q:当社は私(40代)が2代目で、父から経営を引き継いでおります。父は既に引退をしています。

株主は同族で50%超を持つ同族会社ですが、株主は親族や社員、元社員、父親の頃からの外部株主など、20数人おります。

私が承継してからは、事業一本やりで株式の移動もなかったため、株式のことなどはあまり気にしていなかったのですが、最近このままでいいのかと少し気になってきました。

まずは、何から始めたら良いでしょうか?

A:まずは、現状の株主をしっかり把握することです。

もちろん、株主名簿はあるかと思いますが、元社員の方や外部株主もいるということで、その方々の状況の把握なども含め、株主の確認をしっかり行っておくことです。

ほとんどお付き合いのない方などは、場合によっては相続が発生している可能性もあります。

配当をしているかどうかは不明ですが、配当をしていればその当たりは、既に確認されているのかとは思います。

また、お父様の時代からの外部株主などは、本当にお金を出して出資をしてくれているのか、確認しておく必要があります。

いわゆる名義株がある可能性もあります。ひと昔前は会社を設立するのに7人の発起人やそれ以外の出資者が必要だったりしたこともあります。
同族で株式を一定割合以上持っていると、税制上不利になることもありました。

そのため、実際にお金は出していなくても、名義だけの株主になってもらっている人もいました。それが名義株です。

もしそのようなことがあった場合には、なるべく早く真正の株主に戻しておく必要があります。その点、お父様に確認しておく必要があるかも知れません。

株主がしっかり確定できたら、株式評価をやっておくことをお勧めします。
非上場株式は、相続税評価額をベースに贈与や相続、売買の価格が決まってきます。

したがって、顧問税理士に相続税評価を依頼し、ある程度の価格を把握しておくことが重要です。

株式の売却や買取りを行うときは、誰が売却するか、購入するかによって、価格が違ってきます。したがって、これらも想定した数種類の評価をしておくことをお勧めします。

できれば、毎期決算が終わった後には、株式評価を行っておくと良いのではないでしょうか。

また、現在の株主がしっかり確認できた後には、その株主構成の問題点なども検討し、将来どのような株主構成にしていくのか、そのために今後何をしていかなければならないのか、なども検討しておくことが重要です。

お父様がどの程度の株式を持たれているのかわかりませんが、その株式の承継方法についても、検討していく必要があるかと思います。

以上、株主構成の変更には結構時間がかかるため、上記のことをなるべく早めにスタートしていくことをお勧めします。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

来年度の税制改正大綱がそろそろ出てくる時期になってきました。
事業承継税制については、毎年話題になり、今年も様々な要望なども出ていますがどうなるのでしょうか。注目したいですね。

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