不動産 税金相談室
期限を過ぎても実はまだ間に合う小規模宅地特例【不動産・税金相談室】

2025.12.02
Q 昨年、母が亡くなったため自宅の名義変更を司法書士にお願いしました。なお、相続税の申告については、自宅の土地は評価が下がると聞いていたので、相続税がかからないと思い、申告をしませんでした。
しかし、土地の評価を下げるために小規模宅地等の特例を適用する場合は、相続税が発生しなくても申告をしないといけない。
と司法書士から言われました。ただ、申告期限はすでに過ぎてしまっています。
このような場合、小規模宅地等の特例を適用して自宅の評価額を減らすことはできるのでしょうか?
なお、相続人は私ひとりのみで、母と同居していました。
A 結論から申し上げると、居住用の小規模宅地等の特例は、申告期限を過ぎても適用が可能です。
あらためてご説明すると、この特例は、被相続人の自宅敷地について、最大330m2まで評価額を80%減額できる制度です。
ただし、適用するには以下のような一定の要件を満たす必要があります。
1.被相続人または被相続人と生計を一にしていた親族の居住の用に供されていたこと
2.相続開始前から申告期限まで、その家屋に居住し続けていること
3.申告期限まで、その宅地を所有していること
ついては、ご質問者様がお母様と同居されていたのであれば、上記の2と3の要件を満たしていれば小規模宅地等の特例を適用できる可能性が高いと考えられます。
また、相続税の計算において、小規模宅地特例等の特例を適用する場合には、申告期限までに遺産分割協議が整っていることと、相続税の申告を行うことも要件となってまいります。
遺産分割協議については、相続人がご質問者様お1人であることから、行う必要はないものの、相続税の申告書を忘れずに税務署へ提出する必要があります。
なお、提出の際には、相続関係および遺産分割協議が不要であることを証明するため、戸籍謄本などを申告書に添付するようにしましょう。
以上のことから、申告期限が過ぎてしまっても、小規模宅地等の特例の適用は可能であると考えます。
≪担当:資産税部 太田 遼≫
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