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実践!相続税対策

住宅取得資金贈与と2つの贈与課税方式【実践!相続税対策】第723号

住宅取得資金贈与と2つの贈与課税方式【実践!相続税対策】第723号

2025.12.03

おはようございます。
税理士の宮田雅世です。

贈与税には、暦年課税と相続時精算課税の2つの課税方式があることは、メルマガでもお伝えしています。

これらとは別に、贈与税には非課税制度がいくつかあります。

その中でもよく使われている住宅取得資金贈与と、2つの課税方式との併用についてみていきます。

住宅取得資金贈与は、18歳以上の個人が、親や祖父母(直系尊属)から住宅を取得するための資金の贈与を受けた場合に、一定の金額まで非課税となる制度です。

一定の金額は、住宅の種類により異なります。

その住宅が省エネ住宅等に該当する場合は1,000万円、一般住宅の場合は、500万円まで非課税となります。

住宅取得資金贈与の非課税制度を適用する場合には、贈与税の申告をする必要があります。

暦年課税か、相続時精算課税のどちらかを適用して申告することになります。

暦年課税は110万円の基礎控除がありますので、住宅取得資金贈与の非課税限度額とは別に、110万円まで贈与税はかかりません。

相続時精算課税の場合も、令和6年より、新たに基礎控除110万円が設けられました。

そのため、住宅取得資金贈与の非課税限度額とは別に、相続時精算課税の特別控除2,500万円と基礎控除110万円を合計した2,610万円まで贈与税はかかりません。

また、住宅取得資金贈与と相続時精算課税には年齢要件があります。

どちらも受贈者は、贈与を受けた年の1月1日において、18歳以上であること、です。

贈与者は、相続時精算課税については、贈与の年の1月1日において、60歳以上であることが要件にありますが、住宅取得資金贈与には贈与者の年齢要件はありません。

そのため、住宅取得資金贈与と相続時精算課税を併用する場合には、贈与者が60歳未満であった場合でも、適用を受けることができます。

いずれにしても、住宅取得資金の非課税制度を適用する場合には、贈与があった翌年の2月1日から3月15日までに申告をする必要があります。

また、相続時精算課税を初めて適用する方は、相続時精算課税選択届出書の提出も忘れずに行う必要があります。

《担当:税理士 宮田 雅世》

編集後記

今年も残すところあと1か月となりました。
贈与を検討されている方は、110万円の基礎控除内の贈与であれば、贈与税の申告書を提出する必要はありません。

ただし、相続時精算課税を初めて適用する場合には、確定申告の期間中に、相続時精算課税選択届出書を提出する必要があります。基礎控除内の贈与でも、届出書だけは提出しなければいけませんので、ご注意ください。

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