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実践!相続税対策

贈与税の2つの基礎控除【実践!相続税対策】第717号

贈与税の2つの基礎控除【実践!相続税対策】第717号

2025.10.21

おはようございます。
税理士の宮田雅世です。

令和6年1月1日以後の贈与については、相続時精算課税制度にも、暦年課税の基礎控除とは別に、110万円の基礎控除が設けられました。

この基礎控除について、今回は贈与税の2つの課税方式と、複数の人から贈与を受けた場合の適用について、見ていきたいと思います。

贈与税には、暦年課税と相続時精算課税の2つの課税方式があり、それぞれに110万円の基礎控除があります。

ただし、この基礎控除は、受贈者1人につき設けられているものなので、複数の人から贈与を受けた場合、贈与額が合計年110万円を超えると贈与税がかかってきます。

特に、相続時精算課税により複数の人から贈与を受けた場合には、注意が必要です。

たとえば、ある年に父親と母親それぞれから相続時精算課税を適用して100万円づつ贈与を受けた場合、それぞれ110万円の基礎控除が受けられるわけではありません。

この場合は、贈与金額に応じて基礎控除額を按分する必要があります。

父親の基礎控除は、110万円×100万円÷200万円=55万円となり、母親も同じ55万円となります。

相続時精算課税の場合は、基礎控除額を超える部分については相続の際、相続財産に加算しますので、それぞれ100万円-55万円=45万円が、相続財産に加算されることになります。

また、特別控除2,500万円のうち、45万円が適用された、ということになります。

当然、贈与税の申告も必要になります。

暦年課税の場合は、相続開始前3年から7年以内(相続開始の年により異なる)の贈与について、相続財産に加算されます。

これは基礎控除額も含めてですので、相続時精算課税のような按分は必要ありません。

なお、同じ年に、父親から相続時精算課税により100万円、母親から暦年課税で100万円の贈与があった場合には、

贈与税の課税方式が異なるため、それぞれ110万円ずつの基礎控除額を控除することができます。

合計すれば、220万円までの基礎控除額を適用することができますので、相続税対策として検討しても良いかと思います。

110万円の基礎控除については、間違いやすいため、複数の人から贈与を受ける場合には、是非ご注意ください。

《担当:税理士 宮田 雅世》

編集後記

これからの贈与については、暦年課税、相続時精算課税、同じ年にいくら贈与があったか、誰から贈与を受けたかなど記録しておかないと、相続が発生したときに相続財産に加算すべき贈与額が複雑になりかねません。
贈与をする側とされる側、それぞれが記録を残しておかれることをお勧めします。

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