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転業した場合の事業用の小規模宅地特例【不動産・税金相談室】

転業した場合の事業用の小規模宅地特例【不動産・税金相談室】

2025.09.16

Q 数年前父が亡くなり、現在、自宅兼店舗には、高齢の母と長男である私の家族が住んでいます。道路に面した部分に店舗があり、母が洋品店を営んでいます。
その後ろに自宅部分があります。母はお店を当面継続したいとのこと。

私も来年定年を迎え会社を退職することになりますが、いずれはその店舗でフランチャイズ系の事業をやれればと思っています。

将来の相続にあたって、店舗の部分については、事業用の小規模宅地特例が受けられるとのことですが、相続後にフランチャイズ事業に転業した場合でも、この特例は受けられるのでしょうか?

A 事業用の小規模宅地特例は、その敷地が400m2まで80%評価減されますので、土地の相続税評価額が大きく減額されることになります。

また、ご自宅に同居されているとのことで、ご自宅の敷地も居住用の小規模宅地特例で、330m2まで80%評価減することができます。

しかも、この2つの特例は適用面積を調整することなく、上記の面積までフルに適用することができますので、是非とも活用したい特例です。

お母様の事業を相続後に引き継ぐ場合に、事業用の小規模宅地特例の適用を受けるためには、次の要件があります。

1.被相続人の事業を、相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつその申告期限までその事業を営んでいること

2.その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

1の要件に、被相続人の事業を引き継いで、申告期限まで営んでいること、とありますので、お母様の事業=洋品店を引き継いで、申告期限(10か月後)まで継続する必要があります。

したがって、相続後すぐにフランチャイズ事業などに転業すると、事業用の小規模宅地特例が受けられなくなってしまいます。転業するなら申告期限後、ということになります。

ただし、お母様の生前にご質問者が事業を引き継いだ場合は、要件が変わってきます。ご質問者はお母様と同居しているとのことで、生計一親族になります。

生計一親族が生前に事業を承継して、お母様の土地で事業をしていた場合は、次の要件を満たせば、事業用の小規模宅地特例の適用を受けることができます。

1.生計一親族が、相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること

2.その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

生計一親族が事業を営んでいた場合は、相続前から相続税の申告期限まで事業を営んでいればよい、ということです。

したがって、相続前は洋品店であっても、相続後にフランチャイズ事業に転業しても、事業を営んでいることに変わりありませんので、事業用の小規模宅地特例の適用を受けることができます。

もちろん、お母様の生前にご質問者が事業を承継して、フランチャイズ事業に転業している場合も、特例の適用を受けることができます。

《担当:税理士 北岡 修一》

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