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実践!相続税対策

老人ホームに入居して空き家になった場合【実践!相続税対策】第716号

老人ホームに入居して空き家になった場合【実践!相続税対策】第716号

2025.10.15

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

高齢の父親あるいは母親が1人で住んでいて、子は同居はできないし、かと言ってしょっちゅうお世話にも行けない。

訪問介護に頼ってばかりもいられないので、危ないから老人ホームに入ってもらい、結果として実家が空き家になってしまう、ということはよくあります。

空き家になってしまった実家をどうしたらよいか、税金面から考えてみます。

まず1つは、売却する、ということが考えられます。

所有者は親で、親が住んでいましたので、親の譲渡所得の申告では、居住用の3,000万円特別控除の適用を受けることができます。

売却益から3,000万円を控除することができますので、譲渡所得税がかからない可能性もあります。

老人ホームに入ってすぐでなくても、住まなくなってから3年を経過する日の年の年末までに売却すればよいので、ゆっくり売却することができます。

この場合の問題?は、不動産が現金に変わるということです。老人ホームに入るための入居金や、今後の生活費が不足しているのであれば、それは良いことですが。

ただ、将来相続税がかかる財産をお持ちの方の場合は、相続税が上がってしまう可能性があります。

不動産の相続税評価は時価よりも低くなっていますので、不動産が現金(時価)に変わることによって、相続財産が増加し、相続税が上がってしまう、ということです。

次に空き家のまま保有し続ける、という選択肢もあります。

この場合は、親の相続では不動産で相続することになります。

相続人にマイホームを持たない方がいる場合(家なき子)は、その方が相続すれば、居住用の小規模宅地特例を受けることも可能です(330m2まで80%評価減)。

さらに、相続後、実家を売却した場合には、空き家の3,000万円特別控除の適用を受けられる可能性もあります。

この特例には様々な要件がありますが、最も重要なのは実家の家屋が昭和56年5月31日以前に建てられたものであるかどうかです。

その日以前であれば、特例の対象となります。

この特例の適用を受けるのであれば、実家は複数の相続人で共有で相続しておくことが考えられます。

1人あたり3,000万円控除できるからです。ただし、3人以上の場合は1人あたり2,000万円控除になります。

その他、リフォームして賃貸するということも考えられます。

リフォーム費用はかかりますが、毎月の安定した収入を得ることが可能です。

相続においても、土地は貸家建付地(約20%評価減)、家屋は貸家(30%評価減)として評価することができます。

さらに、貸付事業用の小規模宅地特例の適用を受けることも可能です(200m2まで50%評価減)。

以上、とりあえず税金面からだけの検討ですが、空き家には様々な問題もありますので、その後の活用、処分を十分にご検討いただければと思います。

《担当:税理士 北岡 修一》

編集後記

10月も中盤に差し掛かりましたが、大分気温が下がってきましたね。
よく言われていますが、本当に秋は短く、あっという間に冬になってしまうのではと思うくらいです。短く貴重な秋を十分楽しみたいですね。

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