労働分配率をベースに利益計画を立てる【実践!社長の財務】第622号

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経営計画

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

いよいよ10月に入りました。
10月と言えばマイナンバー。本日現在の住所地をもとに送られてきます。

10月中旬以降のようですね。

ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。

労働分配率をベースに利益計画を立てる

毎年の利益計画は、どのように立てているでしょうか?

トップが新年度の方針を示した上で、まずは各部門が自分たちで目標や課題を検討しつつ、売上や経費の計画を作っていくのだと思います。

これを集めると、全体の計画ができていきます。

ただし、これだけでは会社として目指す計画はできません。
各部門思い思いの数字を合計しただけでは、全体として1本筋の通ったものにはなりにくいからです。

各部門の数字を集計した上で、会社全体として来期はどういう方向を目指していくのか、それを数字に落とし込むとどのような数字でなければいけないのか、そんな検討がされると思います。

その際、重要視して欲しいのは労働分配率です。これをキーの数字として全体の利益計画をチェックしていくのです。

手順としてはまずは経費を決めていきます。

来期どのくらい経費がかかるかは、ある程度見えますし、経費は自社で決めることができます。

固定費はもちろん、変動費もどのくらいかけていくか、各部門の目標売上や各種の数量に応じて、出していけるはずです。

人件費も、来年の採用計画や給与改定の見込みなどから、ある程度出せていけます。

人件費が出れば、そこから逆算して売上総利益(=粗利)を出すことができます。ここで使うのが労働分配率です。

労働分配率は、単純に、 人件費÷粗利 と考えてください。
粗利に対する人件費の割合、粗利から何%人件費に分配したか、の率です。

人件費の計画が出れば、人件費÷労働分配率=粗利 で粗利を逆算することができます。

ここで重要なのが、自社の労働分配率は何%を目指すのか?ということです。これが決まっていなければ、計算することができません。

労働分配率は、業種によっても、業態によっても、各社様々に変わってきます。何業だから何%がいいとは言えません。

ですから、自社で目指すべき労働分配率を、明確に決めておくことが大事です。

それには、前期以前の決算を検討しながら、労働分配率はこのくらいにしたい、という数値を持つべきです。

場合によっては、30%の会社もありますし、75%の会社もあります。幅が広いので、自社の経費構造、利益構造などを考えて、独自に決めてください。

人件費から逆算して、粗利を出せれば、あとはその粗利を出すための必要売上を考えていくことになります。単品経営に近ければ目指すべき粗利益率で割れば、売上はすぐに出てきます。

粗利益率が違うものを複数扱っているのであれば、その部門ごとに粗利益を振り分けて、目標売上を算出していくことになります。

このような逆算をしていって、最後には検算をしていきます。
これらの逆算した数字でやっていくと、経常利益はいくら出るのか、やってみます。

それが目指すべき経常利益率に達していればいいのですが、達していなければ経費から見直しです。

このような逆算と検算を繰り返し、各部門から出た数字との差をどうするかを、詰めていくのが最終段階ですね。

各部門の合計が少なければ、来期の方針に照らしてそれぞれの部門で見直しを計っていかなければなりません。

これはあくまで、私がやっているやり方なので、もっともっと違う方法もあるかと思います。

その中ではやはり、労働分配率がキーになってきます。ひとりひとりがどれだけ、粗利を稼げるか、これだけの人件費がかかるのだから、どれだけ粗利を稼がなければいけないのか、その生産性がどれだけ高いかで、利益計画は決まってくると思いますね。

編集後記

先週末は母校の会でマイナンバーの勉強会をしました。社労士の方がやったのですが、新たに聞くようなこともあり大変勉強になりました。
特に不動産業が中心なので、契約時の身分証明で個人カードを使うときの注意点や、住宅ローンを扱う場合の注意点、いろいろありました。

実は今度、ある不動産協会の勉強会でマイナンバーの研修講師をやることになり、気楽に引き受けたのですが、これから急ピッチで細かい取り扱いのところを勉強しておかなければいけないな、と思いましたね...。

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