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実践!社長の財務

安易な売上拡大は危険【実践!社長の財務】第404号

安易な売上拡大は危険【実践!社長の財務】第404号

2011.08.01

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

今日から8月ですね。
でも、ものすごく涼しい朝です。
まるで、避暑地にきているような感じです。

節電するには、もってこいの気候ですが...
 
 
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!

安易な売上拡大は危険

赤字になっている会社の経営者は、売上さえ上げれば、問題はすべて解決する、と考えている方が多いように思います。

景気の影響などで、一時そうなっただけなら、そうかも知れません。

しかし、赤字体質が続いていて、資金繰りも厳しい会社の場合には、必ずしも売上拡大を目指すことが解決にはなりません。

赤字の原因は、様々あります。

景気の悪化や、円高、材料高、業界の環境変化...
など、外部要因がよく言われます。

しかし、本当の赤字の原因は、内部にあるのだと思います。

・経営者や幹部、社員の考えがバラバラ
・各部門の連携が悪い、仲が良くない
・値決めと売り方がマッチしていない
・利益率を重要視していない、改善しようとしていない
・商品の種類が増え、在庫が過大になっている
・棚卸しがいい加減になっている
・稼働していない固定資産が多い
・与信管理や回収意識が甘く、不良債権が多い
・安易に借入をして、それを繰り返している
・経費の見直しがされず、無駄な経費が多い
・社員のモチベーションが低い
・社内が汚く、整理整頓されていない...

挙げればキリがないのですが、赤字になっている会社には、会社を見ただけで本当に多くの問題が内包されているな、と思います。

赤字脱却を計るなら、まずは、こういうところから手を付けていく必要があるのではないでしょうか?

このような状態の中で、売上拡大を目指しても、次のような事態になってしまいます。

・今まで売上が上がらなかったのに、急にあがらない → さらにモチベーションが下がる

・無理して売ろうとすると、値引き等をして売ることになる → さらに利益率が下がる。

・売上を増やすには、信用度の低い顧客にも掛けで販売したり、与信を超えて販売してしまう
 → 資金回収が遅れたり、貸倒れになったりして、余計に資金繰りが苦しくなる

・売上が増えたとしても、同時に仕入や原価が増える
 → 売上の回収よりも、仕入や原価の支払いの方が早い場合は、さらに資金繰りが悪くなる

以上のように赤字脱却、資金繰り改善のためには安易な売上拡大志を目指すべきではないのです。

まず、やるべきことは、社内の見直しです。

経費削減はもちろん、原価(変動費)の低減、社内のフィロソフィーの共有により、一丸となって赤字脱却に向かっていく組織風土を作っていくということが大事なのです。

JALの会長に就任した稲盛会長が、まずはフィロソフィーの浸透から始めた、というのは本当に理にかなったやり方なのだなと、つくづく思います。

編集後記

今日は私は夏休みを取っています。といっても家にいるのですが...。現在、我が家は、家の中で大引越中。長男が就職して大阪の方に行ってしまったり、女房が会社を作って自宅で仕事を始めるなど、そのための大移動です。
でも家の中であってもたまに引っ越しをすると、様々なものが整理できていいですね。かなり体にきていますが...。

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