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リース取引の会計処理-税法と会計では違う!【実践!社長の財務】第225号

リース取引の会計処理-税法と会計では違う!【実践!社長の財務】第225号

2008.02.25

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

いよいよ先週から確定申告期間に入っていますが、今年から電子申告をした場合には、電子申告控除5,000円などもありますね。

今、税務署は電子申告の普及に大変力を入れていますし、いずれ将来は、電子申告一辺倒になるでしょうから、今からチャレンジしておくのがいいと思います。

まずは、住基カード(電子証明付き)の取得からやっていきましょう。

ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!

リース取引の会計処理-税法と会計では違う!

先週から、リース取引について書いていますが、今回はリース取引の会計処理を考えてみたいと思います。

この4月から、「会計基準」でも「税法」でも、リース取引は、売買取引になります。

(ここでいうリース取引は、ほとんどのリースが該当する、所有権移転外ファイナンスリース取引のことを言っています)

売買処理になる、ということは、リース資産を資産に計上するということです。同時にリース債務も、負債に計上することになります。

したがって、リース契約時には、次の会計処理をすることになりますね。

(借方)リース資産×××
(貸方)リース債務  ××× 仮払消費税  ×××

リース資産にいくらを計上するのか、というのは、会計と税法では違ってくるのですが、それはさておいて、

今まで、リースは資産に計上していなかったのが、資産に計上するというだけでも、晴天のヘキレキではないでしょうか...!?

リースは資産に計上せず、費用処理できるのが良かったのに...と、思っている人も多いのではないでしょうか。

上の処理を、原則として4月から行なわなければなりません。

(会計基準では、今年の4月1日以降に開始する事業年度から、税法では、今年の4月1日以降に締結するリース契約から、という違いはありますが...)

ここで、注意しなくてはいけないのは、上の仕訳の「仮払消費税」です。

今まで、リースの消費税は、リース料を支払った時に、その都度認識していました。

ところが、法人税法が「リース取引は売買である。」=資産の取得 と言ったわけですから、同じ税法の仲間である消費税も、それに従わざるを得ません。

売買であれば、当然、資産を購入した時に、消費税を認識しますよね。それと同じになるわけです。

リースを契約した時に、リース料全額の消費税を計上する、すなわち、売上にかかる消費税から引ける、ということですから、納税者サイドからすれば、非常に有利になるわけですね。

まだ、支払ってもいないのに、消費税は引けるわけですから...

なお、上の仕訳のリース資産の計上額は、税法では、リース総額になります。リース総額(税抜き)全額を、リース資産に計上すればいいのです。

ただし、会計基準では、原則として、リース料総額のうち、利息相当額を控除しなければならないことになっています。

リース料には、利息分が含まれていますから、それは資産には計上しないということです。

したがって、リース料の支払時には、税法と会計では、次のような会計処理になります。

<税法>

(借方)リース債務 ×××
(貸方)現預金  ×××

<会計>
(借方)リース債務  ×××
(貸方)現預金  ×××
    支払利息 ×××

もちろん、貸方の現預金の金額(引き落とされる金額)は、同じです。

会計の場合は、利息を控除してリース資産、債務を計上しますから、その分小さい金額になっているわけですね。

その差額が、リース料支払時に、支払利息という形で表れてきます。

ということで、今回は、ここまで。
また、来週もリース取引をやります。

編集後記

先週は、リース取引の会計と税務の 社内セミナー(北岡ゼミ)を行なったのですが、このメルマガからも数人の方に来ていただき、ありがとうございます。

本来、顧問先向けにやろうと思ったのですが、それ以外の人の方が多くなってしまいました。それだけ、顧問先には当社の担当者がきちんと教えてくれているからだと思いますが...それとも私が人気がないのか...(笑)

ちなみに、本文のことでちょっと補足。

会計基準では、税法では、と言っていますが、会計基準が強制適用されるのは、監査法人の監査を受けている会社やその子会社関連会社、あるいはこれから上場を目指そう、という会社です。

それ以外の会社は、会計基準は強制適用ではなく、最低限、税法に沿った処理ができていれば、問題はありません。

しかし、中小企業でも会計基準のことは知っておく必要がありますね。できるだけ、他社とも比較可能な基準で処理しておくことが、後々信用を高めることになると思います。

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