タンス預金、名義預金【実践!相続税対策】第434号

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皆様、おはようございます。税理士の北岡修一です。

相続税の申告を行う際に、必ずお願いするのは、亡くなる前最低5年間、できれば10年分くらい、亡くなった方の通帳を、見せてください、ということです。

大きなお金の動きがなかったか、あった場合には、そのお金はどこに行ったのか、あるいは何に使ったのか、それを確認するためです。

相続税の申告後、税務調査を受けた場合、最も否認が多いのは預金関係です。

預金から引き出されたお金が、どこに行ったのか。

本来、相続財産であるものが、親族の口座に入っていたり(名義預金)、無記名の債券になっていたり、現金で貸金庫や自宅のどこかに保管されていたり(タンス預金)することがあります。

悪意があろうがなかろうが、そのようなものが見つかって、追徴課税されるパターンが多いのです。

ですから、遡って通帳をチェックすることにより、あらかじめ、大きなお金の動きについて、どこに行ったのか、何に使ったのかを確認するようにします。

「そんな昔の通帳まで、何で必要なの?」と言われることもありますが、税務署に調べられても大丈夫なように、あらかじめ対策をしておくわけです。

そこで、名義預金があれば、親族の名義であっても、相続財産として申告します。

タンス預金があれば、現金として申告します。

また、親族に贈与したお金で申告していないものは、贈与税の申告をします。(除斥期間が過ぎている場合は別)

過去の通帳を遡って見ることによって、税務署の調査がなくなったり、調査を受けても安心していられます。

税務署も、預金等の動きで問題がなければ、結構、財産があっても、調査をしないことも多いのです。

以前にあった相続税の税務調査で、相続人の過去の預金の動きはチェックしていたので、大丈夫だと思っていましたが、次のようなことがありました。

それは、亡くなる数年前に、生命保険が満期になり、亡くなられた方の口座に、満期金が振り込まれました。

その後、その満期金の全額を、相続人(子)の名義(契約者および被保険者)で、新たな保険に入りました。

その振り込まれた通帳は、それにしか使われていなかったので、その後解約して、相続時にはありませんでした。

通帳がなかったため、また、子もそのことをほとんど知らなかった(親が勝手にやっていた)ので、チェックが漏れてしまったわけですね。
親心でやったのでしょうが。

本来、亡くなられた方のお金が、子の保険に移ってしまっているわけですから、贈与か、あるいは親の財産か、ということになります。

そのような否認事例がありました。

いくら通帳をチェックしても、相続時にない口座は漏れてしまうことがあるので要注意、ということですね。

最後に、相続人の方の心理としてよくあるのは、親が危なそうになった時に、相続前に現金をこまめにおろしている、ことですね。

相続の際に、財産を減らしておこうという方もいますが、多くは、亡くなってしまうとお金がおろせなくなるので、お葬式等、不安なので、という方が多いです。

これらのおろしたお金も、亡くなった時に残っていれば、現金として相続財産に加算して申告します。

したがって、相続財産を減らそうとしておろしても意味はないので、必要以上におろす必要はありません。

お葬式の費用などは、相続財産から減額することができますので、その点は安心していただければと思います。

編集後記

現在も相続税の申告を何件かやっていますが、この新型コロナウイルスの影響で、相続人がなかなか集まることができず、手続きが滞っているケースもあります。

相続税の申告期限が、一律延長されているということはありませんが、個別の事情によって税務署に相談して、延長することは可能のようです。
そのようなケースは、是非、相談するといいと思います。

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