法定単純承認について知っておこう【実践!相続税対策】第406号

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おはようございます。税理士の利根川裕行です。

相続が開始した際に、相続人が、まず決めなければならないことは何でしょうか?

それは、相続開始後、3カ月以内に、その相続を承認するか否かということが挙げられます。

つまり、その相続を承認するのか、もしくは限定的に承認をするのか、それとも放棄をするのかということです。

相続財産には、俗にいう、預金や不動産などのプラスの財産と、借金などのマイナスの財産があります。

プラスの財産とマイナスの財産を、あるがままに受け入れることを単純承認といいます。

マイナスの財産の方が多い場合、プラスの財産の額を限度に、マイナスの財産を受け入れることを、限定承認といいます。

以上のように、相続人は、相続開始後3カ月以内に、単純承認、限定承認、相続放棄の意思表示をしなければなりません。

意思表示の方法は、限定承認や相続放棄をする場合は、家庭裁判所に申し立て手続きをすることにより行います。

単純承認の場合は、特に何もすることはありません。

限定承認や相続放棄の場合のみ、手続きをすればよいのです。

限定承認や相続放棄をするケースで多いのは、何といっても、被相続人に借金等の債務が多い場合です。

なるべく早く意思決定できるよう、相続開始後3カ月以内に、ある程度の財産の棚卸しを、完了させる必要があります。

特に、連帯保証債務を含めた借金の額が、プラスの財産の範囲に収まっているかの確認が必要です。

この相続開始後3カ月以内に、相続人が相続財産の一部を売却することがあります。

この相続財産の全部または一部を処分する行為は、相続人がその財産を取得した、という前提のものと考えられます。

つまり、こういった行為は、相続を単純承認したとみなされます。(法定単純承認といいます。)

相続財産として借金等の債務がかなりある場合、この法定単純承認に注意をしなければなりません。

法定単純承認したとみなされると、後に、多額の債務があるとわかっても、相続放棄ができないことになるからです。

では、この法定単純承認の例としてどのようなものがあるのか見ておきたいと思います。

次の代表的な例示のうち、法定単純承認になるものを考えてみてください。

1.死亡した父親の預金から、子供の学費を支払った。
2.死亡した父親の預金から、葬式代などを支払った。
3.死亡した父親の自動車を売却した。
4.遺産分割協議に参加した。

上記のうち、法定単純承認になるものは、1,3,4です。

死亡した父親の財産の処分に該当する行為のため、単純承認したことになります。

2の葬式代などの支払いは、遺族として当然の行為のため、該当しません。

相続財産のうち、多額の債務がある場合は、相続放棄等の選択をするまでは、被相続人の財産の処分は慎重に行う必要があります。

相続開始後3カ月以内に、債務額を含めた財産の洗い出しをするのは、時間的に困難なケースは多いでしょう。

やはり、生前にすべての財産の状況を把握し、必要であれば、然るべき相続対策をしておくことが必要ですね。

編集後記

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