家族信託における相続税法上の課税関係【実践!相続税対策】第394号

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おはようございます。税理士の利根川裕行です。

家族信託は、相続税の節税対策にはならない、というようなことを聞いたことがあるかと思います。

今回は、その辺りの理由を簡単な事例を通してみていきたいと思います。

父親が所有・管理する賃貸マンションがあります。父親の年齢は80歳を超えており、家族構成は妻と1人息子の3名です。

父親は、もしもの時に備え、元気なうちに賃貸マンションの管理について、家族信託を実行することにしました。

1人息子に賃貸マンションを管理してもらい、家賃収入等は今までどおり父親、とするものです。

このケースは、いわゆる「自益信託」といわれる方法です。

賃貸マンションを信託財産として、その管理を子供に託し、家賃収入等は父親に入るパターンです。

認知症や病気になること等を想定し、当面は、信託財産の管理だけを子供にお願いするような信託のことです。

財産を信託する人(委託者)と、その財産から得られる利益を受け取る人(受益者)が、同じケースということです。

この場合、税務的な効果は、今までと変わりがないため、信託契約時には、贈与税等の課税関係は生じません。

しかし、たとえば賃貸マンションの管理を子供に託し、家賃収入等が妻に入るような場合は、話が変わってきます。

委託者と受益者が異なる場合で、いわゆる「他益信託」といわれる方法です。

この場合、信託契約締結と同時に、家賃等を受け取る権利が妻に移ることになります。

妻が、家賃等を受け取る権利を、ただでもらうような場合は、信託契約時点で、贈与税の課税関係が生じてきます。

では、信託契約を結んでいる状態で、父親に相続が発生した場合の課税関係をみていきます。

信託契約書上、父親に相続が発生した場合は、家賃等を受け取る権利者(受益者)が妻になるケースを想定します。

相続により、受益者が父親から妻に移るため、妻は家賃等を受け取る権利を、遺贈により取得したものとみなされます。

相続税を計算する際には、「信託に関する権利」という財産名で、相続税の課税対象になってきます。

信託に関する権利の相続税評価額は、信託財産となっているものの評価に準じて計算されます。

この場合の信託財産は、賃貸マンションのため、建物は貸家、土地は貸家建付地として計算した金額になります。

次に信託財産が不動産の場合、小規模宅地等の特例の適用が受けられるのだろうか、という疑問が出てきます。

結論から言うと、信託財産であっても、要件を満たせば小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

要件としては、その賃貸マンションを、申告期限まで継続保有し、継続して賃貸事業を営んでいれば、適用を受けることができます。

以上より、あくまで相続税を計算する上での話ですが、通常の場合と変わりがないことがわかります。

家族信託を組むこと自体が、直接、相続税の節税対策につながることはない、ということです。

ただし、信託する不動産の名義変更時の不動産取得税や登録免許税に関しては、優遇措置があります。

家族信託は、財産の管理・運用方法の1つであり、財産の渡し方の1つでもあります。

また、その活用方法は千差万別です。

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※東京メトロポリタン相続クラブ会員は無料です。
会員でない方は、下記ご入会の上、お申込みいただければ、無料させていただきます。

※お申込みは、下記サイトより。
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編集後記

7月25日(木)に、第2回目の認知症対策と家族信託活用セミナー
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家族信託について、できるだけわかりやくすご説明いたしますので、
ひとりでも多くの方にご参加いただければ幸いです。
まだ席に余裕がありますので、ご興味のある方は、お早めにお申し込
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