贈与税の配偶者控除~店舗兼住宅とその敷地の贈与~【実践!相続税対策】第382号

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おはようございます。税理士の利根川裕行です。

今回のテーマは、婚姻期間20年以上の配偶者に、居住用の不動産を贈与する場合の2千万円控除についてです。

夫所有の居住用の不動産(建物および敷地)に、夫婦で住んでおり、妻にその不動産の全部または一部を、贈与するケースです。

妻は、贈与を受けた後も引き続き、その居住用不動産に住み続けることを前提としています。

居住用の不動産のほとんどは、そのすべてを、生活するための住まいとして使われていると思います。

その場合の贈与は、単純に贈与時点の相続税評価額から、最高2千万円の配偶者控除が可能となります。

その不動産の相続税評価額が、2千万円を超える場合は、持分の一部を贈与することも考えられます。

贈与税がかからないようにするために、この配偶者控除額2千万円に、110万円を加算した持分だけを贈与するケースです。

いずれにせよ、居住用の不動産のすべてが生活用の住まいの場合は、贈与税の計算上、面倒なことはありません。

ただ最近は、不動産の有効活用の観点から、店舗兼自宅等のケースが増加しているように思えます。

この場合の、贈与税の配偶者控除の対象となる贈与財産は、居住用の不動産部分のみとなりますので、注意が必要です。

つまり、店舗部分の建物および敷地については、贈与税の配偶者控除の対象とはならなない、ということです。

贈与時の相続税評価額から控除できる配偶者控除額は、下記のうち、いずれか低い方の金額となります。

・2千万円
・その建物および敷地の相続税評価額×居住部分の割合

下記の簡単な条件のもと、具体的に見ていきたいと思います。

・建物の延床面積 150m2(居住部分2/3、店舗部分1/3)
・敷地の面積 90m2(居住部分2/3、店舗部分1/3)

なお、敷地面積90m2の店舗部分と居住部分の分け方は、建物部分の面積比により按分計算します。

・贈与時の建物とその敷地の相続税評価額の合計額 6千万円

今回、贈与により妻に持分の1/2を贈与するとした場合、贈与税の計算対象となる金額は下記のとおりです。

まず贈与税の配偶者控除の対象は、居住部分の2/3だけですので、

6千万円×2/3×1/2= 2千万円 が、贈与する居住部分の評価額となります。

贈与税の配偶者控除は、最高2千万円まで認められるので、贈与税の配偶者控除額は2千万円となります。

ただし、店舗部分は、贈与税の配偶者控除の対象とはなりませんので、贈与税の課税対象となる金額は、次のとおりとなります。

6千万円×1/2-配偶者控除額2千万円 = 1千万円

このように、店舗兼住宅を贈与する場合には、贈与税が発生する可能性が高くなります。

どうしても生前に贈与しておきたい場合は、相続税の試算を行うとともに、相続時精算課税贈与を使うなどの検討も必要でしょう。

そもそも相続により移転すれば、小規模宅地特例を使うことができる場合もあり、税金的には有利なケースも当然あります。

いずれにせよ、生前に、相続税シミュレーションや相続対策の必要性の有無を確認しておいた方が安心ですね。

このような場合は、是非、弊社相続クラブの相続税簡易シミュレーション(無料)などをご活用いただければと思います。

編集後記

地元の市議会議員選挙が、今度の日曜日に行われます。最近は、選挙カーを利用しての活動が少なくなり、代わりに、駅前での活動が増えてきているように感じます。

休日に、選挙カーが通るたびに、騒音を聞かされているような不快な思いをすることがなくなり、少しだけホッとしています。

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