実践!相続税対策
配偶者居住権と小規模宅地特例【実践!相続税対策】第377号
2019.03.13
おはようございます。税理士の北岡修一です。
皆様ご存知のとおり、2018年7月の民法・相続編の改正により、「配偶者居住権」が創設されました。
施行は、来年2020年4月1日からとなっています。
配偶者居住権とは、夫婦の一方が亡くなった時に、その配偶者が住んでいた被相続人所有の建物について、終身または一定の期間、無償で住み続けることができる権利です。
この配偶者居住権は、遺言で遺贈したり、遺産分割協議により設定することができます。
この配偶者居住権も、相続財産として評価され、相続税の課税対象になります。
通常、配偶者が自宅の土地建物を相続した場合には、小規模宅地特例を使うことができ、330m2<\sup>まで80%もの評価減を受けることができます。
この配偶者居住権についても、小規模宅地特例の適用を受けることができる方向です。
また、配偶者居住権の設定された自宅土地を相続した他の相続人についても、要件を満たせば小規模宅地特例を適用することができます。
要件とは同居要件です。
たとえば、夫婦と子が同居していて、夫が亡くなった場合に、妻が配偶者居住権を相続し、子が自宅の土地建物を相続したような場合です。
この場合は、妻が相続した配偶者居住権と、子が相続した土地について、小規模宅地特例が使える、ということです。
ただし、上記の場合において、夫婦2人だけで住んでおり、子が同居していない場合は、子が相続する自宅土地については、小規模宅地特例は、使えないようです。
現行でも、配偶者がいる場合には、別居している子が自宅を相続しても小規模宅地特例は使うことができませんが、それと変わらないようです。
まだ、法令や通達で明確にはされていませんので、今後どのような取扱いになるのか、注目していきたいと思います。
編集後記
先週までに確定申告を終わらせようという目標でしたが、先方の都合もあって資料が集まらなかったり、やはりこの時期は思った以上に時間がかかりますね。何とか早く終わらせようと皆でやっていますが、何と自分の申告はまったく忘れていました。これから、やらないと…。
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