民法改正に伴う配偶者居住権の税務上の取り扱い【実践!相続税対策】第366号

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皆様、おはようございます。
税理士の利根川裕行です。

あっという間に、本年最後のメルマガとなりました。

本年度も、最後までこのメルマガをお読みいただき、ありがとうございました。

来年度も、皆様にとって、少しでも有用な情報を、わかりやすくお伝えできるようにしていきたいと思います。

その上で、相続税申告、相続対策、不動産譲渡、事業承継などについて、遠慮なくご相談いただければと思います。

では、本日の「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

民法改正に伴う配偶者居住権の税務上の取り扱い

本年の7月に、民法(相続法)の改正が行われたことは、皆様、ご承知のことと思います。

特に、税務的に絡む改正としては、配偶者居住権の創設がありました。

平成31年度の税制改正大綱で、この配偶者居住権に関する税務上の取り扱いが公表されましたので、確認しておきたいと思います。

まず、配偶者居住権の内容についてみていきましょう。

配偶者居住権には、「配偶者短期居住権」と「配偶者長期居住権」の2種類があります。

実務的な改正の目玉は、「配偶者長期居住権」の方です。

配偶者短期居住権とは、相続開始時に被相続人の自宅に同居していた配偶者は、一定期間、その場所に無償で住める権利です。

一定期間とは、相続開始から遺産分割までの期間と、相続開始から6か月までの、いずれか遅い日までです。

最低限、相続開始から6か月間は、住み続けることができるということです。

これは、従来の最高裁判例に基づく実務上の対応が、明確化されたに過ぎません。

相続開始により、配偶者に認められる最低限の権利といえます。

遺言書などがなくても、自宅の居住部分については、自動的に認められるものです。

したがって、相続税の計算においても相続税の課税対象にしなくてもよいことが、今回の税制改正で明確になりました。

これに対して、配偶者長期居住権の期間は、原則、終身となります。

従来、配偶者が生涯にわたって住み続けるためには、住んでいた自宅を、相続で取得するしかありませんでした。

しかし、相続人が複数いて、相続財産が自宅しかない場合などは、円満な遺産分割ができない可能性があります。

このような場合に、自宅を売却せずに、配偶者の居住を保護するために設けられた権利が、配偶者長期居住権です。

配偶者長期居住権は、遺産分割協議や遺言、死因贈与で定める必要があります。

遺産分割協議書よりは、相続対策として生前に遺言書に定めておいた方が確実でしょう。

自宅部分の相続の仕方については、柔軟な方法が可能となります。

二次相続を想定し、自宅そのものは子に取得させ、配偶者には、居住権を与える、というような選択肢も可能になりました。

配偶者長期居住権は相続財産となり、2020年4月1日以降の相続分からが対象となる予定です。

配偶者長期居住権が設定された場合の、自宅の相続税評価額は、下記のとおりとなります。

・建物
(1)配偶者居住権の価額    
(2)配偶者居住権が設定された建物の相続税評価額-(1) 

・土地
(3)配偶者居住権にかかる敷地利用権の価額
(4)当該土地等の相続税評価額-(3)

平成31年度税制改正大綱では、上記(1)と(3)の具体的な評価算式が明確になりましたが、長くなりますので、また次回以降に解説させていただきます。

また、それに伴う小規模宅地の特例の適用などについても、詳細がわかり次第、お伝えしたいと思います。

編集後記

今年は、一滴もお酒を飲まない年となりました。20歳を超えてからは、初めての年になりました。お酒の席で、ウーロン茶しか飲まない自分が、いまだに信じられません(笑)。

飲まなくなった分、食べる量が少し増えているようなので、来年は、軽い運動を継続的に行いたいものです。

来年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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