
皆様、おはようございます。
税理士の利根川裕行です。
今年も、残すところ、1カ月ちょっとになりました。時期的に、譲渡所得案件の相談が多くなってきています。
本年度中に不動産を売却した方、もしくは売却を検討されている方で、譲渡所得や税務申告について、ご相談がある方は、遠慮なくお問合せください。
お問合せ、確認いただくことで、気持ち的に楽になるのではないかと思います。
では、本日の「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。
相続税の納付方法
相続対策には、「分割対策」「納税資金対策」「節税対策」があることは、皆様ご承知のことと思います。
今回は、納税資金対策を考えていただくための基礎情報として、相続税の納付方法について簡単にまとめてみました。
相続税の納税は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内にしなければなりません。
相続税の申告期限と相続税の納付期限は一緒ということになります。
納付方法は、原則、現金一括納付です。現預金にて納税ができるよう目途を立てておく必要がある、ということです。
納税資金の準備としては、相続財産のうち、現預金や生命保険金など、換金性の高い資産で賄うことができれば理想的です。
まずは、生前に財産の棚卸しと、相続税の試算を行って、納税資金の確保ができるかを、検証しておく必要があります。
もし、相続財産だけで賄えない場合は、相続人自らが、納税資金を確保しておかなければなりません。
原則、現預金にて一括納付ですが、一括納付が困難な場合には、延納制度が設けられています。
この延納制度は、一定の要件のもと、税務署長の許可が必要で、延納する相続税相当の担保を提供しなければなりません。
延納できる期間も決まっています。
相続財産のうち、不動産等の占める割合が、50%以上75%未満の場合を見ていきます。
・不動産等にかかる延納する税額・・・15年以内(原則)
・動産等にかかる延納する税額・・・・10年以内(原則)
不動産等に対する相続税については、上記のように延納期間が長くなっています。
延納制度は、相続税額の分割納税となりますので、金利に相当する利子税もかかってきます。
上記の場合、利子税は次のとおりになります。
・不動産等にかかる延納する税額・・・年3.6%(原則)
・動産等にかかる延納する税額・・・・年5.4%(原則)
非常に高いように思われますが、実際の割合は、銀行の金利水準等に合わせて、調整されます。
平成30年度においては、年1%前後になる計算です。
現金一括納付や延納は、金銭での納付となりますが、金銭での納付が困難な場合は、物納制度が設けられています。
物納も延納と同様に、一定の要件のもと、税務署長の許可が必要です。
また、物納に充てることができる財産も決められています。
物納に充てることができる財産は、主に相続財産のうち、国債等、不動産等、株式や投資信託の受益証券、動産で一定のものです。
これらの財産のうち、物納に充てることができる順位も決められています。
原則的な物納順位は、下記のとおりですが、安定した価額にて、換金化しやすい財産から、物納に充てるようになっています。
第1順位:国債等および不動産等
第2順位:株式や投資信託の受益証券等
第3順位:動産
延納、物納の制度はありますが、かなり手続きが煩雑になりますので、できれば使わずに、現預金で納税できるようにしておきたいものです。
そのためにも、生前に、相続対策のうち、納税資金対策をしっかり行っておくことが重要です。
編集後記
朝の電車通勤時に、2号車に乗ることがあります。乗り換えの際、降りたホームの向かい側に電車が到着するので、降車してまっすぐ歩いて乗り換えました。当然、2号車に乗っていると思っているのですが、異様な雰囲気であることに気が付きます。何と、乗り換えた車両は1号車で、女性専用車両でした。何事もなかったように次の駅で降車しますが、内心、かなり焦っていました。
皆様もお気を付けください。
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