東京メトロポリタン税理士法人

お問い合わせ

〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビルディング17F

  1. HOME
  2. メールマガジン
  3. 実践!相続税対策
  4. 相続時精算課税を受けた後の贈与【実践!相続税対策】第211号

実践!相続税対策

相続時精算課税を受けた後の贈与【実践!相続税対策】第211号

相続時精算課税を受けた後の贈与【実践!相続税対策】第211号

2016.01.06

あけましておめでとうございます。
税理士の北岡修一です。

いよいよ年が明けましたが、相続贈与に関しては、昨年大きな改正がありましたので、今年あたりからその影響が様々に出てくることかと思います。

相続税の申告は、恐らく相当増えるでしょうし、贈与税も相続時精算課税に孫が追加されたり、贈与税の税率も2種類に分かれたり、注意することがたくさんあります。

今年もそのような情報を、わかりやすく伝えていきたいと思います。

本年も「実践!相続税対策」を何卒よろしくお願いいたします。

相続時精算課税を受けた後の贈与

年が明けましたので、今年もいよいよ確定申告の時期が迫ってきます。

確定申告は、所得税はもちろん、贈与税もありますから、そちらの方にも注意しておかなければなりません。

今回は特に、相続時精算課税を受けた後のことを取り上げます。

相続時精算課税は、親や祖父母から贈与を受けた場合に、届出をすることにより、2,500万円まで贈与税を非課税とする制度です。

贈与税がかからない代わりに、その贈与をした者(特定贈与者といいます)の相続時には、その贈与を受けた財産を、相続財産に加算して相続税を計算することになります。

支払った贈与税がある場合には、相続税から控除して、贈与税相続税を通じて税金を精算することになります。

親の財産を生前に継承することにより、必要とする子が有効に活用できるようにしていこう、という趣旨の制度です。

相続時精算課税を選択した場合は、その特定贈与者からの贈与は、その後はすべて相続時精算課税を適用することになります。

通常の暦年課税(110万円までは贈与税がかからない)は、適用することができなくなります。
もちろん、特定贈与者以外の者からの贈与には、暦年課税が適用されます。

相続時精算課税は、2,500万円の控除があり、これは累計して2,500万円までは、贈与税がかからないことになります。

ある年に、1,500万円の贈与を受けて相続時精算課税を適用した場合、次の年に500万円、また次の年に500万円を、特定贈与者から贈与を受けても、累計2,500万円の範囲であれば、贈与税はかからないわけです。

特定贈与者からの贈与が、累計2,500万円を超えた場合は、その超えた金額に20%の贈与税がかかります。

ただし、注意しなければいけないのは、2,500万円まで贈与税がかからないと言っても、これは申告をすることが条件となっている、ということです。

しかも、期限内申告が条件です。贈与税の申告は、所得税の確定申告と同様、贈与を受けた年の翌年3月15日までです。

上記の例で言うと、1,500万円の贈与を受け相続時精算課税を適用した翌年に、その特定贈与者から500万円の贈与を受けました。

当然、2,000万円の範囲内ですから、贈与税はかからないので、安心してしまうかも知れません。

実は、この500万円の贈与についても、翌年3月15日までに贈与税の申告をしなければならないのです。

500万円の贈与を受けたので、2,500万円までの非課税枠の内の500万円を使い、累計の相続時精算課税の控除額が2,000万円となり、あと残りの500万円は翌年以降に繰り越す、というような申告をする必要があるのです。

もし、この申告をしなかった場合には、贈与した500万円については2,500万円までの控除が認められず、20%の税金を払う必要があります。

贈与税がかからないと思っていたのが、100万円も贈与税が課税されてきますので、ビックリしてしまいますね。

ですから、相続時精算課税を受けた後というのは、相当注意しておかなければいけません。

3月15日が過ぎてから、そう言えば贈与税の申告をしていなかった・・・期限後だけども申告をしておこう、と思っても、ダメなのです。

あくまでも2,500万円までの控除は、期限内申告が条件なのです...忘れていた、知らなかった、というのは認められません。

これは、一般の方は、知らない方が多いのかと思います。

相続時精算課税などをやる時は、税理士事務所が関わっていることが多いかと思います。

ですので、税理士事務所の立場からすれば、1度相続時精算課税を適用した方は、その後の贈与について注意しておく必要がある、ということです。

ちょうど今頃の時期から、相続時精算課税を過去適用した方には、「昨年、贈与を受けていませんか?」ということを、聞いておく必要があります。

2,500万円の枠内であっても、既に2,500万円の枠は使ってしまった場合であっても、いずれにしても必ず申告が必要になってきます。

相続時精算課税を選択するということは、その後、特定贈与者の相続まで相続贈与の管理をしていく必要がある、ということなのです。

ちょうど今の時期からですから、是非、昨年贈与があったかどうか、確認をするようにしてください。

編集後記

今年は仕事初めの週からフルに1週間平日が続きますので、お正月気分があっという間に抜けて、急に仕事モードに入った感がありますね。とは言え、会社に来た年賀状とはまだ格闘しており、返事も書かないと...などとあせっています(笑)。

メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
https://www.mag2.com/m/0001306693.html

相続のご相談はお問合せフォームへ

東京メトロポリタン相続クラブ

<< 実践!相続税対策 記事一覧