路線価による土地の評価を否定!?税務署の伝家の宝刀とは?【不動産・税金相談室】

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Q 最近、路線価で評価した土地の価額が、裁判で争った結果、時価により評価すべきとの判決が出たと聞きました。
現在、相続に向けて、所有している土地の評価を路線価により計算していましたが、これ以上負担すべき税額が増えないか不安です。

A 基本的には、現在評価されている路線価による評価で問題ありません。

今回、話題となっているのは、路線価に基づく財産の評価が不適切とした東京地裁の判決であり、異例の判断であったかのように思います。

ご承知の通り、土地の評価は、市街地的形態を形成する地域にある宅地については、路線価方式によることになっています。

ただ、今回は、伝家の宝刀とも呼ばれる、財産評価基本通達第6項『通達の定めによって評価(本件では路線価評価のこと)することが著しく不適当で 認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。』の適用を裁判所が認めた形となりました。

つまり、路線価による評価が認められず、不動産鑑定による時価による評価が認められました。

さらに、詳細の状況としましては、下記のとおりです。

〇 被相続人の死亡約3年前にマンションが購入された。

〇 マンションの路線価評価(約3億円)と、国税局の不動産鑑定価格(約13億円)との間に約4倍もの差が生じていた。

このように、時価と路線価との評価の差が多額であり、また取引から比較的短期間で相続が開始していることから、相続税の負担を免がれることを目的とした過度な節税であり、相続税法上の平等性に欠けるという判断になったのでしょう。

結論といたしまして、念のため時価もご確認いただいた方が無難ですが、路線価方式による評価が否定されることは異例であり、またお持ちの土地でここまで差が生ずる土地を所有されていることは少ないと思われることから、実務上問題となるケースは少ないと考えます。

ただ、通常その適用が予期されていないからこそ、伝家の宝刀といわれているはずの通達が適用されてしまったことも事実です。
今後はこのような否認されるリスクがあることを踏まえ、評価に対し配慮する必要があるのでしょう。

なお、原告は控訴をしており、最終的にどのような結論になるか、今後も注目すべき事案かと思います。

《担当:青木》

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