不動産 税金相談室
代償財産の取扱い【不動産・税金相談室】
2019.08.02
Q 母の相続が発生しましたが、実家の不動産が相続財産の大半を占めていることから遺産分割が難しく、私が全体を相続した上で、相続人である弟に対しては、その代償として私の財産を渡すことを考えています。
そこで、私の財産を渡すことによる税金の取扱いについて教えてください。なお、母の相続人は私のほかに弟のみとなります。
A 遺産分割にあたって、他の相続人に代償財産を渡す方法を「代償分割」といいます。
ご質問のように、相続財産の大半を換金が困難な財産が占めている場合には相続人の1人(ご質問者)がその相続財産を取得し他の相続人(ご質問者の弟)に対して、代わりの財産を交付するケースも少なくありません。
この場合、相続税の対象となる財産は、次のように計算します。
<代償財産を交付した人(ご質問者)>
相続した財産-代償財産=相続税の対象
<代償財産の交付を受けた人(ご質問者の弟)>
相続した財産+代償財産=相続税の対象
以上の調整により、相続財産全体から漏れることのないよう計算します。
注意したいのは、代償財産が金銭ではなくご質問者個人が所有する不動産等である場合です。
ご質問者が所有する不動産を、代償財産として弟様に渡すのであれば、その時の時価によって譲渡したものとみなされるためです。
つまり、譲渡に対する税金が発生するわけです。
一方、不動産を取得する弟様についても不動産取得税が発生することになりますので、代償財産が不動産である場合には、これらの税負担にご注意いただきたいと思います。
なお、代償財産が金銭である場合には、このような譲渡にかかる税金の問題は発生しません。
《担当:樋口》
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