相続時精算課税適用者の死亡 【不動産・税金相談室】

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Q 兄が亡くなりましたが、生前に父から兄へ、相続時精算課税制度を使った土地(兄自宅の土地)の贈与がされています。

土地を贈与した父はまだ健在ですが、兄の相続時に、相続時精算課税制度の手続きをする必要はありますか。

A 相続時精算課税制度は、贈与者(ご相談者の父)の死亡時に、相続税申告において生前贈与の精算をする制度であり、贈与を受けた方(ご相談者の兄)の死亡時には、精算の手続きは必要ありません。

そのため、お兄様の死亡によって、その相続人が、相続時精算課税にかかる権利・義務を引き継ぎ、お父様の死亡時に手続きをすることになります。

相続時精算課税制度の仕組みについては、既に多くの方にご理解いただいていると思いますが、簡単に確認してみましょう。

通常の贈与には、年間 110万円の基礎控除が設けられていますが、相続時精算課税制度では、2,500万円の控除枠が設けられており、その範囲内であれば、贈与税の負担なく贈与が可能(控除枠を超える場合には20%の課税)です。

一方、贈与者に相続が発生した時には、生前贈与した財産を相続財産に組み入れて精算しなければなりません。

今回のご質問では、贈与されたお父様よりも先に、贈与を受けたお兄様に相続が発生したとのことですが、この場合、贈与を受けたお兄様の相続税申告では、相続時精算課税制度の精算ができないこととなります。

つまり、お兄様の相続人が、相続時精算課税制度による権利(財産)と義務(精算による納税)を引き継ぐわけです。

仮に、お兄様に配偶者・お子様などがいらっしゃれば、妻子が相続人となりますが、もし独身であれば、まだ健在であるお父様(およびお母様)が相続人となります。

相続時精算課税の贈与者でもあるお父様が、相続人となった場合、贈与した財産がお父様の元に戻ったものと考えられるため、相続時精算課税による権利・義務から除外されることになっています。

ご質問のケースでは、お兄様の家族構成が明らかではありませんが、誰が相続人であるのかを整理して、対応を考える必要があるでしょう。

なお、相続財産に自宅がある場合には、小規模宅地特例が気になるところですが、相続時精算課税制度を利用して取得した土地は、小規模宅地特例の適用対象とはなりませんので、ご注意ください。

《担当:樋口》

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