法人で建てるか、個人で建てるか【不動産・税金相談室】

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Q 80歳の父親が、空き地になっている土地にアパートを建てることを検討しています。他に個人でいくつかアパートを所有していますが、節税対策を考えて法人化も検討しています。

相続税のことなども考えると、法人で建てた方がよいのか、個人で建てた方がよいのか、迷っています。アドバイスいただけますでしょうか?

A 昨今、賃貸経営の法人化が多く行われています。
法人化することにより、家賃収入が法人に入り、法人での事業活動の経費に使ったり、親族が役員に入ることで役員報酬を支払い、所得が分散化・圧縮化されることで、節税効果を得ることができます。

ただし、これはあくまで所得課税に関する節税効果です。長期的には個人の所得の蓄積を減らすことで、相続税の節税効果も期待できますが、それには長期間かかります。

お父様の年齢を考えると、せっかくアパートを建てるのであれば、相続税対策を第一に考えた方が良いかと思われます。

そのためには、個人で建てた方が良いのではないでしょうか。
個人で建てることにより、建築費の実際の額と、建物の相続税評価額との差額分だけ、相続財産を圧縮することができるからです。

たとえば、建築費 8,000万円でアパートを建てたとします。
これにより、現預金が 8,000万円減る、あるいは全額ローンで建てれば債務が 8,000万円増えることになります。
あるいはその組み合わせですね。

いずれにせよ、まずは 8,000万円相続財産が減ります。

その上で、完成した建物については、基本的には固定資産税評価額で評価することになります。
固定資産税評価額は建築費の50%程度に(あるいはもっと低く)なります。

50%とすると 4,000万円です。さらにこれは賃貸用の建物ですので、30%の評価減をすることができます。
そうすると 4,000万円×(1-30%)=2,800万円という評価になります。

8,000万円の現預金が、2,800万円の評価の建物になる、ということで、5,200万円もの相続財産が減額されることになります。

さらにアパートの敷地である土地も、貸家建付地として、約20%評価減することができます。
(法人で建てても、20%減額できる場合があります)

以上のように個人で建てると、相続税が減額されることになります。
これを法人で建ててしまうと、少なくとも建物評価の減額ができないことになります。

したがって、相続税対策のことを考えれば、個人で建てた方がよい、ということになります。
もう少し若いうちであれば、法人で建てるという手もあると思いますが。

《担当:北岡》

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