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不動産 税金相談室

自宅の売買契約中に相続があった場合【不動産・税金相談室】

自宅の売買契約中に相続があった場合【不動産・税金相談室】

2018.11.23

Q 父が自宅の売却中に亡くなりました。
売買契約書は締結したものの、引き渡し前であるため所有権はまだ父にある状況です。
この場合、相続財産となる自宅は、どのように取り扱われるのでしょうか。

A 現状では、自宅不動産の所有権はお父様(被相続人)にあるものの、相続開始前に売買契約が締結されていることから、相続財産として認識するものは、不動産ではなく「売買代金の請求権」と考えます。

手付金など、売買代金の一部を受領している場合には、未収である残金部分が、請求権として計上すべき金額となります。

その際、売買にかかる仲介手数料などの経費のうち、未払いの経費については、債務控除することができます。

また、相続財産は、自宅の土地ではなく売買代金の請求権ですから、土地を対象とした「小規模宅地の特例」を受けることはできません。

ご質問のように、売買契約締結後に、相続が発生した場合には、不動産ではなく請求権として相続財産を認識することとなるため、通常の自宅の相続とは異なる取り扱いとなるのです。

仮に、被相続人が買主の立場であった場合も、注意が必要です。

相続財産は不動産ではなく「引渡請求権」を認識することとなるため、その不動産の売買代金が、引渡請求権の金額として計上されることとなります。

未払いの売買代金や経費については、同じく債務控除の対象となります。

ただし、被相続人が買主である場合には、売買代金に代えて、路線価など、通常の土地の評価によることも認められています。

なお、売却にかかる所得税の申告については、その譲渡日を契約締結日とするか、引き渡しの日にするのかによって、手続きが異なります。

被相続人の生前である契約締結日(契約日)を、譲渡のあった日とした場合には「被相続人の準確定申告」により申告・納税の手続きを行います。

一方、相続発生後の引き渡しの日(引渡日)を、譲渡のあった日とした場合には、「相続人の確定申告」において手続きを行うこととなり、いずれか有利な方を選択することができます。

《担当:樋口》

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