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不動産 税金相談室

固定資産の交換特例が使えるかどうか【不動産・税金相談室】

固定資産の交換特例が使えるかどうか【不動産・税金相談室】

2018.11.09

Q 私の所有する土地の隣地(宅地)は他人が所有しておりますが、土地の有効利用を考えると、ぜひ、その隣地を取得したいと考えています。

近くに私が所有する別の土地(宅地)があり、この度、その土地と隣地を交換することで話がまとまりそうです。ただ、隣地の時価は5,500万円位であるのに対し、私の所有する土地は7,000万円くらいの時価となります。
損にはなりますが、その土地を取得することで、土地の利用価値は大きく膨らむと考えています。

交換差金のやり取りは行いませんが、このような状況で交換の特例を使って譲渡所得税が出ないようにすることはできるでしょうか?

A 土地を交換した場合、税務的にはそれぞれ譲渡があったもの、とみなされます。土地を譲渡した上で、新たに土地を取得した、と考えるわけです。

したがって、原則的には土地の譲渡所得課税が行われることになります。
ただし、所得税法第58条に固定資産を交換した場合の課税の特例という規定があり、一定の条件を満たせば、その譲渡はなかったものとみなされることになります。

交換するということはお互い等価であることが原則となりますが、この特例においては、高い方の価額の20%以内の価格差であれば、この特例の適用を受けることができます。

ご質問の場合、高い方の価格は7,000万円であり、その20%は1,400万円ということになります。両者の価格差は 7,000万円-5,500万円= 1,500万円となり、20%を超えてしまっています。

一見すると交換特例は受けられないように思われます。
ただし、上記の時価は、通常取引される価額がベースとなっています。

ご質問の場合は、隣地という限定されている土地であり、他の土地で代替できるものではありません。
このような場合の価格は、通常の取引価額によって評価できるものではない、と考えられます。

したがって、交換する者同士が親族関係や取引等の関係で利害があるわけではなく、両当事者の置かれた立場から見て、理解できる状況の上で合意されたものであれば、その交換は等価であると考えられます。

このようなことから、他の条件を満たす限り固定資産の交換の特例を使うことができ、譲渡所得は発生しないことになります。

なお、この特例を使うための他の条件には、次のようなものがあります。

・交換する資産は、いずれも固定資産であること
(相手が不動産業者で販売用の資産である場合などは対象外)

・交換する資産は、1年以上所有していたものであること

・交換により取得する資産も、相手が1年以上所有していたものであり、かつ、交換のために取得したものでないこと

・交換により取得した資産は、交換した資産の交換前と同一の用途に供すること
(今回の場合、宅地と宅地なので、同一用途)

・確定申告をして必要な明細等を添付すること

《担当:北岡》

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