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遺産未分割時における小規模宅地特例の取扱い【不動産・税金相談室】

遺産未分割時における小規模宅地特例の取扱い【不動産・税金相談室】

2018.04.13

Q 夫が亡くなったため、相続人である私と長男(20歳)、長女(18歳)の3人で話し合った結果、子供達もまだ学生であることから、私が夫の財産すべてを相続することとしました。

ところが、不動産登記の相談をした司法書士の方より、「未成年者がいるため、ご希望の遺産分割を行うには、成年するまで待ってみてはどうか」と提案を受けています。

事前に相続税を試算したところ、「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地の特例」を適用すれば、相続税が発生しない見込みですが、仮に長女が成年するまで遺産分割をしない状況での申告方法について教えてください。

A ご質問の場合、未成年者のご長女がいらっしゃいますので、相続人となる家族内での話し合いで合意があったとしても、それをそのまま遺産分割することはできません。

未成年者のご長女と、親権者であるご質問者とは利益相反の関係にあり、特別代理人を選任して、遺産分割手続きを行う必要があるためです。

ご質問者もご長女も、同様に相続の権利がありますので、親権者という立場ですべて遺産分割を決めてしまうと、ご長女に不利益が生じる可能性があることから、このような取扱いが求められているのです。

ところで、今回のご質問のようにお子様が若い場合には、奥様がすべての財産を取得して、今後の生活を維持されていくことも不自然ではありません。

しかしながら、特別代理人の立場としては、それを許すと代理した相続人(ご長女)にとっては不相当な遺産分割となり、善管注意義務違反と判断されるケースもあることから、法定相続分を主張されることが通常です。

その結果、司法書士の先生がご指摘されるように、希望される遺産分割を行うために、ご長女が成年されるまで待つことも考えられるでしょう。

仮に、成年されるまで待つこととした場合、10ヶ月以内に行う相続税申告は、遺産未分割の状態となります。

既に相続税の試算をされて、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地の特例」を適用すれば、相続税が発生しない見込みとのことですが、これらの制度は、遺産分割が確定していなければ適用することはできません。

つまり、相続税の申告時には、相当の相続税が発生することとなりますので注意が必要です。

この場合、相続税の申告期限から3年内に遺産分割が確定すれば、更正の請求により、配偶者の税額軽減や、小規模宅地の特例を受けることができます。

ただし、当初の申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておかなければなりませんのでご留意ください。

なお、20歳未満であっても婚姻をしている者は成年とみなされます。

《担当:樋口》

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