保証債務を履行するための不動産譲渡 【不動産・税金相談室】

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Q 昨年、長男の経営する会社が、業績不振により廃業しました。
会社は銀行から多額の借入金があり、私の所有する不動産が担保に入っていました。そのため、その不動産を売却して借入金を返済しました。

本年確定申告をするにあたり、この借入金を返済した分は、譲渡所得から控除することはできないでしょうか?

A 保証債務を履行するために、不動産を譲渡した場合には、その譲渡所得がなかったものとする特例があります。

保証債務の履行とは、本来の債務者が債務を弁済しないときに、保証人などが肩代りをして、その債務を弁済することをいいます。

保証人になっていたり、土地建物に抵当権が設定されていたりする場合に、これに当てはまります。

ご質問者の長男の会社が返済するべきものを、親が代わりに弁済した場合もこれに当てはまります。

この特例を受けるには、次の3つの要件すべてに該当することが必要です。

(1)本来の債務者が既に債務を弁済できない状態であるときに、債務の保証をしたものでないこと

(2)保証債務を履行するために、土地建物などを売っていること

(3)履行をした債務の全額または一部の金額が、本来の債務者から回収できなくなったこと(求償権行使不能)

単に不動産を譲渡して、保証債務を履行しただけではだめです。
上記3番目の要件にあるように、保証債務を履行した金額について、長男の会社から返済を受けられないことが、証明できなければなりません。

法的な倒産状態にあるとか、債務超過の状態で回復の見込みがないことなどを客観的に証明する必要があります。

なお、譲渡所得がなかったものとされる金額は、次の3つのうち、最も低い金額となります。

(1)肩代りをした債務のうち、回収できなくなった金額

(2)保証債務を履行した人のその年の総所得金額等の合計額

(3)売った土地建物などの譲渡益の額

また、この特例を適用するためには、確定申告をする必要があります。

その際には、保証債務の事実がわかる書類や、求償権が行使不能であることを証明する書類などを添付する必要があります。

《担当:北岡》

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