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不動産 税金相談室

親の相続と自宅の売却について【不動産・税金相談室】

親の相続と自宅の売却について【不動産・税金相談室】

2017.09.08

Q 5年前から父の介護のため、父の自宅(30年前に父が取得)に同居しておりました。もともと私が住んでいた自宅(15年前に私が取得)は、父と同居後も所有しておりましたが、誰も住んでおらず、お掃除のため年に数回帰る程度でした。

今回、父の相続を機に、いずれかの家を処分しようかと考えています。
父の土地建物を同居していた私が取得する場合と、他の兄弟が取得する場合で、相続において何か影響はありますか。

また住民票は自宅のままでしたので、自宅を売却する場合は3,000万円特別控除の適用は可能でしょうか。

A まず、相続税の評価額についですが、同居していた方が土地を取得する場合と、それ以外の方が取得する場合とでは、評価額に影響があります。

同居していた方が、その土地を取得して、申告期限までその家に住むことで土地の評価額が敷地面積の330m2まで80%減額されます。これを小規模宅地等の特例といいます。

この特例を適用することで、相続税の評価額が下がり、相続税も大きく減額されます。遺産分割をどうするかによって、大きな差が出てくるのです。

また、この特例を適用することで相続財産が基礎控除以下となり、相続税額がゼロとなる場合もあります。この場合でも、特例を適用するには、相続税の申告が必要となりますので、ご注意ください。

次に、ご自宅の譲渡についてです。

結論から申し上げますと、ご質問者の元々の自宅を売却する場合は、居住用の3,000万円特別控除の適用はできません。

この特例は、自己の居住の用に供されている家屋と土地が対象になります。
その家に住まなくなった場合は、3年を経過する年の12月31日までに売却することが条件となります。

今回の場合、住民票はご自宅のままであっても、居住の実態はお父様と同居されていた場所にありますので、自己の居住の用に供されているとは認められません。
また、住まなくなってから5年が経過しているため、この特例の適用要件を満たすことができません。

ただし、いずれかの家を売却ということでしたので、お父様から相続した土地建物を売却した場合には、こちらは居住用の3,000万円特別控除が使える、ということになります。
上記と同様、住民票に関わらず、居住の実態で判断するからです。

また、相続で取得した財産を相続開始後、3年10か月以内に売却した場合は相続税の取得費加算の規定もあり、譲渡所得税が優遇されています。

さらに相続で取得した財産の取得日は、お父様の取得日を引き継ぐことになっています。したがって、譲渡所得が出る場合であっても5年以上の長期譲渡になるため、低い税率(約20%)を適用することができます。

以上のように、相続の分割の仕方、売却する場合の税金面の注意点を十分に考えて、今後の不動産の処分等を行うようにしてください。

《担当:宮田》

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