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共有物の現物分割を行う場合の課税関係【不動産・税金相談室】

共有物の現物分割を行う場合の課税関係【不動産・税金相談室】

2017.04.21

Q 現在、夫1/2、長男1/2の共有持分の一筆の宅地があります。
長男が新たに自宅を新築したいということもあり、この際、この宅地を共有持分に応じて分割することにしました。
この場合、税務上は何か問題があるでしょうか?

A 共有状態の一筆の宅地について、共有状態を解消するための手法の一つに共有物の現物分割があります。

各共有者の持分に応じて宅地を分割し、各共有者がその分割された宅地を取得する方法のことを言います。

今回のケースは、この共有物の現物分割に該当します。

たとえば、現状、共有状態にある宅地を、A地(夫所有)とB地(長男所有)に、それぞれ1/2の持分割合にて分割するとします。

共有物の現物分割の手順を、わかりやすく考えるならば、

1.それぞれ1/2の持分割合と同等になるようA地とB地を分割
A地(夫1/2、長男1/2の共有状態)
B地(夫1/2、長男1/2の共有状態)

2.共有状態を解消するために、A地の長男持分1/2と、B地の夫持分1/2を交換

ということになります。

この流れをベースに課税関係を考えていくと、交換は譲渡所得の要因となりますので、基本的には、所得税の課税関係がでてくることになります。

しかし、今回のような一筆の宅地について持分に応じた現物分割をする場合には、土地の譲渡がなかったこととして取り扱われます。

これは、持分に応じた分割そのものが、宅地全体に及んでいた共有持分権を、それぞれA地・B地に集約させたに過ぎないという考え方によります。

ところで、持分に応じた分割とはどういうことでしょうか?

200m2の1筆の宅地を、それぞれの持分が1/2ということで、100m2ずつ分割すればよい、というものではありません。

分割後のA地とB地の時価での持分比が、ほぼ持分の1/2づつという状態が、持分に応じた分割ということになります。

たとえば、分割後のA地は2つの道路に接しているのに対し、B地は1つの道路にしか接していないといった場合、両者の不動産価格には差が出ることになります。

単純に面積だけを持分に合わせるような分割を行うと、上記のようなケースの場合、持分に応じた分割ではなくなるケースが出てくる、ということです。

そのような場合は、譲渡所得の交換の特例が使えるかを検討したり、贈与税の課税関係が出てくる可能性があるので、注意が必要です。

したがって、共有物の現物分割を行う場合は、事前に専門家によく相談することをお勧めいたします。

《担当:利根川》

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