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海外にある自宅の売却【不動産・税金相談室】

海外にある自宅の売却【不動産・税金相談室】

2016.08.19

Q 私は仕事の関係で海外生活が長く、現地にて自宅不動産を購入し居住しております。

このたび帰国することとなったため、これまで住んでいた自宅を売却したいと考えておりますが、日本における税金の取扱いと日本円への換算方法について教えてください。

A 日本の所得税の取扱いは、日本に居住していない「非居住者」については「日本国内で発生した所得」のみ、所得税の対象としております。

非居住者の判定にあたっては、日本と現地国との租税条約等も確認した上で判断しなければなりませんが、1年以上海外赴任されている場合には、一般的に非居住者に該当する可能性が高いです。

ご質問者の帰国時期や売却時期(予定)についての詳細はわかりませんが、海外にある自宅の売却に伴う利益は、日本国外の所得になりますので、もしも「非居住者」に該当するのであれば、所得税の対象にはなりません。

今現在は、海外生活が長いということで、非居住者に該当されると思われますから、早い段階で売却されるのであれば、非居住者になる可能性が高いでしょう。

ただし、売却の時期が遅くなるようであれば、その段階では居住者となっている可能性もあります。

いずれにしても、売却の時点で居住者か非居住者かの判定が必要です。

さて、仮に居住者である場合には、日本の所得税の対象となります。この場合は、国内での居住用財産の譲渡と同じように、海外の居住用財産についても3,000万円特別控除の対象となります。

この特例は、国内の居住用財産に限るものではないためです。

一方、軽減税率の特例については、国内にある居住用財産を対象としていることから、海外の不動産譲渡については特例の対象外となり、通常の譲渡の税率が適用されます。

3,000万円特別控除も軽減税率も、国内で居住用財産を売却した際によく利用される特例ですが、海外の居住用財産の場合には、対象の有無が異なることとなりますので注意が必要です。

また、日本の申告が必要となる場合には、円換算して所得の計算をしなければなりません。

円換算にあたっては、取引日における対顧客直物電信売相場「TTS」と対顧客直物電信買相場「TTB」との仲値である「TTM」によることとされています。

そのため、不動産の売却益(譲渡所得)だけでなく、為替レートの変動による利益(為替差益)・損失(為替差損)も生じることとなります。

この為替差損益も、不動産の売却という一連の取引で発生したものですから、この損益も含めて譲渡所得を認識することとなります。

したがって、まずは非居住者の判定を行い、申告義務があるようであれば仲値(TTM)により換算して不動産の譲渡所得を計算し、必要に応じて3,000万円特別控除の適用を検討すればよいでしょう。

なお、冒頭でもふれましたが、現地国の税金の取り扱いや、我が国との租税条約の取り扱いは別途検討する必要がありますのでご注意ください。

《担当:樋口》

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