確定申告編7 居住用の買換えの場合の特例【不動産・税金相談室】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

Q 平成20年中に自宅を売却しました。その売却代金と住宅ローンをもとに新居を購入しました。
売却した自宅は、15年前に購入したもので、売却直前まで住んでいたものです。
住宅を買い換えるとなんらかの優遇措置があるという話を聞きましたが、どのようなものがあるのでしょうか。

A 自宅を売却した場合に考えられる譲渡所得に関する優遇措置としまして
  
・3,000万円控除 
・居住用財産の軽減税率
・居住用財産を買い換えた場合の特例
・居住用財産を買い換えた場合の損益通算及び繰越控除

が考えられます。
3,000万円控除や軽減税率の詳細については前号メールマガジンにて掲載させていただきましたので、今回は買換えの特例について解説させていただきます。

旧自宅の売却について譲渡益が出ている場合には、買換えの特例が適用でき、譲渡損が出ている場合にはその損失について、損益通算や繰越控除を適用することができます。

  
<特定の居住用財産の買換えの場合の特例>
この規定を適用した場合には、旧資産の売却代金のうち新居の購入に充てた部分には、所得税が課されません。
       
旧資産売却代金3,000万円

新居購入代金4,000万円

例えば上記のようなケースでは、譲渡代金3,000万円のすべてを新居の購入に充てているので、譲渡所得税はかかりません。
ただし、この制度は課税の繰延べといわれ、この新居を売却したときに、今回課されるはずだった所得税があわせて課されることになります。

この規定を受けるための要件には、主に次のものがあります。
・10年以上居住し、所有していた家屋であること
・親族に対する譲渡ではないこと
・譲渡した年の翌年までに新居を取得し、居住すること
・その他に、面積制限など一定の要件があります。
  

<居住用財産を買い換えた場合の損益通算及び繰越控除>
譲渡所得を計算した場合に、損失が出た場合にはその損失を他の所得から差し引くことができます。
通常、不動産の売却から生じた損失は他の所得から差し引くことができませんが、この特例を使うことにより、給与などの所得からも差し引くことができ、また控除しきれない時は3年間繰り越すことができます。
なお、この規定は住宅ローン控除との併用が可能です。

この規定を受けるための要件には、主に次のものがあります。
・譲渡する年の1月1日において5年以上所有していた自宅であること
・買換資産(新居)に係る住宅ローン(償還期間10年以上)があること
・その他に、面積制限など一定の要件があります。

これらの規定はいずれも確定申告をする必要があります。また、居住用財産を譲渡した場合の所得税の計算には、さまざまな特例規定がありますので、申告前には税務署・専門家等に相談することをお勧めします。

《担当:永澤》

東京メトロポリタン相続クラブ 入会金、年会費無料