「税制改正大綱について2」【不動産・税金相談室】

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前回のメールマガジンに引き続き、先般与党より公表されました平成20年度税制改正大綱について紹介させて頂きます。

前回は、不動産関連の改正内容について5つ紹介させて頂きましたが、その中でハウスネットギャラリーをご覧の皆様に関連が深いと思われる「相続時精算課税制度の特例(住宅取得資金)」「省エネ改修促進税制」「200年住宅促進税制」の3つの制度について、もう少し詳しい内容を確認したいと思います。

<相続時精算課税制度における住宅取得資金の特例>
 
住宅取得資金の特例は、現行平成19年までの特例とされておりますが、今回の税制改正大綱では、2年間延長され平成21年まで適用できるものとされております。
マイホーム購入の際には多く利用されている特例制度ですので、期間が延長される方向で進んでいることは実体に即した妥当な改正内容といえます。

そもそも、この住宅取得資金の特例を適用するためには、贈与をした年の翌年3月15日までに自宅を新築・取得するとともに、その自宅に3月15日までに居住しているか、もしくは遅滞なく居住する見込みであることが必要です。

仮に翌年中に居住できない場合には、住宅取得資金の特例が適用されないこととされますので、自宅を取得される時期、居住される時期には十分に注意が必要です。

さて、紹介させて頂いている税制改正大綱は、前回お伝えしたように、現時点では法律として確定しているものではありません。そのため、安全を考えて、現行制度の期間内である平成19年中に贈与を実行される方もいらっしゃるでしょう。

しかしながら、取得時期や居住時期などを考慮しなければ、税金対策上、思わぬ失敗もあるかもしれません。
ご心配のある方につきましては、是非専門家等へお問い合わせ下さい。

<省エネ改修促進税制>
 
省エネに関する基準は、第二次オイルショックをきっかけに制定されたのを初め、最近では平成11年に省エネ基準の改正が行なわれております。
今回の税制改正大綱では、この平成11年の省エネ基準を基本に、省エネ改修工事を行なった場合について、税務上の特例を設けることとされておりますので是非ご確認下さい。

●特例の内容
住宅ローンを組み、工事費用30万円超の省エネ改修工事を行なった場合には、その住宅ローン残高のうち一定額について、5年間、所得税から控
除する制度です。
ただし、平成20年4月から平成20年12月までの間に居住した場合とされておりますので、期間にはご注意下さい。

●対象となる工事・控除額
(1)居室の全ての窓の改修工事、またはそれと併せて行なう床・天井・壁の断熱工事であり、改修工事によって平成11年基準以上の省エネ性能となり、かつ、改修後の住宅全体の省エネ性能が現状から1段階以上上がるもの。
⇒住宅ローン残高1000万円を限度に1.0%が所得税から控除されます。

(2)上記(1)の改修工事のうち、改修後の住宅全体の省エネ性能が平成11年基準相当に上がるもの。
⇒住宅ローン残高200万円を限度に2.0%が所得税から控除されます。

ただし、(1)と(2)を合わせて全体で1000万円が上限となります。したがって、200万円は(2)の2.0%で、残りの800万円は(1)の1.0%で計算した年間12万円が最大額となります。

また、省エネ改修促進税制による控除制度のほか、従来からある通常の住宅ローン控除においても、対象となる増改築の範囲に、上記の改修工事が含まれることとされています。
したがって、いずれか有利な方を選択することが可能です。

なお、省エネ改修工事を行なった場合には、固定資産税についても軽減措置が設けられる見込みです。

<200年住宅促進税制>
 
前回紹介させて頂いたとおり、一定の基準に適合する長期耐用住宅について固定資産税、不動産取得税、登録免許税の軽減措置が設けられる見込みです。

●固定資産税の軽減
現状、新築戸建住宅については、3年間、固定資産税が2分の1に軽減されておりますが、長期耐用住宅に該当する場合には、その期間が5年間となる見込みです。
また、新築マンションについても、現状の5年間から7年間に伸長することとされています。

●不動産取得税の軽減
現状、新築住宅については1200万円を控除して不動産取得税を計算することとなりますが、長期耐用住宅に該当する場合には100万円上積され、1300万円を控除できるものとされるようです。

●登録免許税
長期耐用住宅に該当する場合には、所有権保存登記または所有権移転登記にかかる登録免許税を引き下げる方向のようです。ただし、その引き下げ幅については検討中ということですのでご留意下さい。

前回、今回と、与党より発表された税制改正大綱に基づき、不動産関連の改正内容について紹介させて頂きました。
前回もお伝えしたように、この税制改正大綱は法律が確定する前の段階で発表されているものですので、法律が確定する段階では変更される可能性もありますが、来年以降の税制を知る上で有効な情報です。
皆様の家づくりに、是非お役立て頂ければと存じます。

さて、今回が今年最後の税金Q&Aとなります。
引き続き来年も、不動産にかかる税金について皆様のご質問をお待ちしておりますので、何卒宜しくお願い致します。それでは、良い年をお迎え下さい。

《税理士 八木航一》

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