「税制改正大綱について1」 与党税制改正大綱を踏まえ不動産関連改正について【不動産・税金相談室】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

今回は、先日与党より発表された「平成20年度税制改正大綱」について、不動産関連の改正内容を紹介させて頂きます。
国会での審議を経て、法律が成立されるのは来年3月末の予定となりますが、例年、この税制改正大綱の内容で成立することとなります。

ただし、今年は参議院選挙による民主党の躍進により、いわゆる「ねじれ国会」が話題となっております。その民主党も今月中に税制改正大綱を発表することとされていますので、例年に比べ税制改正法案の動向に不透明感があるのは事実です。

このような状況下ではありますが、与党からは例年どおり税制改正大綱が発表され、これを基に財務省からも「税制改正要綱」が公表される見込みですので、今後の税制度を知るためにも是非ご確認頂ければと存じます。

なお、本原稿は平成19年12月17日現在の情報に基づき作成しておりますのでご留意下さい。

<住宅取得資金にかかる相続時精算課税制度の延長>
 
相続時精算課税制度における住宅取得資金の特例については、平成19年12月31日までが期限となっておりましたが、2年間延長される見込みです。

相続時精算課税については、通常、65歳以上の親から贈与を受けるものが対象であり、また非課税枠が2500万円までとなっております。
しかし、その贈与が住宅取得資金である場合には、特例として65歳未満の親からであっても対象となるほか、非課税枠も3500万円に拡充されることとなるため、多くの方が利用されている制度です。
今回の期限の延長は、実体に即した妥当なものといえます。

<省エネ改修促進税制の創設>

居住用の家屋について、住宅ローンを組んで一定の省エネ改修工事を行なった場合には、一定額を所得税から控除できることとされる見込みです。
前回平成19年度税制改正においては、バリアフリー改修工事のローン控除制度が創設されましたが、その「省エネ版」ということです。

また、通常の増改築による住宅ローン控除の対象に、この省エネ改修工事が含まれることとなります。
そのため、省エネ改修促進税制による控除か、もしくは通常の増改築による住宅ローン控除か、いずれか有利な方を選択する必要があると考えられます。

<エネルギー需給構造改革推進投資促進税制の対象設備の追加>

エネルギー投資促進税制は、エネルギー効率の良い設備、また石油代替エネルギーを使用する設備などに対する税務上の優遇措置ですが、この対象設備に、省エネ対策に効果の高い「省エネビルシステム」が追加されます。
上記の省エネ改修促進税制と同様に、「省エネ」がキーワードのようです。

この制度は業務用ビルが対象となりますので、ビルを所有される法人や個人の方に影響することとなります。特別償却と税額控除の有利選択が必要なケースもありますのでご留意下さい。

<200年住宅促進税制の創設>

一定の基準を満たす長期耐用住宅について、固定資産税、不動産取得税、登録免許税の軽減措置が設けられる見込みです。

これは、良質かつ長期耐用の住宅を設けることにより、地球環境への負荷軽減、建替えコストの削減を図ることを目的としているもので、「長期耐用住宅等の整備の促進に関する法律」(仮称)を税務面からサポートするものといえます。

<減価償却制度の改正>

昨年も減価償却の計算方法に改正があり、法人や個人の事業者の方は影響に苦労されたかと思いますが、今回も減価償却制度の改正が見込まれます。

内容は、機械装置を中心に、耐用年数を大幅に変更するものです。
ただし、機械装置の耐用年数が中心ですので、不動産関係の耐用年数に限ってみれば、露天式立体駐車場や農林業にかかる構築物など影響は僅かのようです。

以上、簡単ですが不動産関連の改正状況をまとめさせて頂きました。
次回のメールマガジンでも、もう少し改正内容について触れてみたいと思います。

《税理士 八木航一》

東京メトロポリタン相続クラブ 入会金、年会費無料