「住民税と住宅ローン特別控除」 税源移譲による住民税の手続き【不動産・税金相談室】

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Q 住宅ローン特別控除については、制度改正によって今度から市区町村へ手続きを行なう必要があると聞きましたが本当でしょうか。

A 税制改正に伴い、平成19年1月1日から所得税率が、平成19年6月徴収分からは住民税率が変更されましたが、これによって住宅ローン特別控除額が減額してしまった場合には、その減額分を住民税より控除できるものとされております。

ただし、住民税から控除するためには市区町村(または税務署)に対して『住宅借入金等特別税額控除申告書』(以下『控除申告書』)を提出しなければなりません。

そのため、これに該当する方については、ご質問にあるとおり市区町村への手続きが必要となるのです。

そもそも所得税と住民税の税率変更は、国から地方へ税源を移譲することを目的に行なわれており、これによって多くの方は所得税が減少する一方で住民税が増加するものとなっています。
(所得税と住民税の合計額は一定となるよう処置されております)

しかし、住宅ローン特別控除制度は、本来納めるべき「所得税」と、年末ローン残高を基に計算した「控除額」とのいずれか小さい金額を「所得税から控除」することができる制度であるため、もともと「住民税」は考慮されておりません。

つまり、税率変更により所得税が減少してしまえば、一方的に住宅ローン特別控除の金額が少なくなってしまうケースがあるのです。

そこで、住宅ローン特別控除の適用者に不利が生じないよう、控除申告書により住民税から控除できるように処置されているわけです。

<対象者>
平成11年~平成18年の間に住宅ローン特別控除の適用を受けており、今回の税率変更により住宅ローン特別控除額が減額してしまった方が対象です。控除額に影響がない方は、税率変更による不利が生じていないわけですから対象となりません。

<対象の有無の判断>
会社員の方などの給与所得者であれば、会社で年末調整を行ない『源泉徴収票』の交付を受けます。
この源泉徴収票の中段左側に「住宅借入金等特別控除可能額」という欄がございますので、この欄に記載がある場合には控除申告書の対象となります。

また、給与所得以外の所得がある場合や、自営業者など給与所得者以外の方については、いったん税金計算をしてみなければ対象の有無を判断できませんのでご留意下さい。

<手続き>
控除申告書を作成し、源泉徴収票を添付の上、お住まいの市区町村へ提出する必要があります。

給与所得以外の所得がある方や自営業の方など、確定申告を行なう必要がある場合には、確定申告書に控除申告書を添付して税務署へ提出することとなります。

控除申告書は、お住まいの市区町村で入手できますので、対象となる場合には各市役所等へお問い合わせ下さい。

なお、提出期限は確定申告と同様に3月15日(平成20年については3月17日)となるため、期限に遅れないよう早めにご対応下さい。

会社員の方など給与所得者については、そろそろ平成19年分の源泉徴収票が交付される時期です。
住民税の手続きの対象であるか早速ご確認頂き、対象となる場合には是非お手続き頂ければと存じます。

なお、控除申告書は、住民税から控除を受ける年毎に提出しなければなりません。来年以降も、必要に応じてお手続きが必要となりますので、お忘れないようくれぐれもご留意下さい。

《税理士 八木航一》

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