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貸家と土地の持ち分が異なる場合の評価と小規模宅地の特例 【不動産・税金相談室】

貸家と土地の持ち分が異なる場合の評価と小規模宅地の特例 【不動産・税金相談室】

2019.09.06

Q 父に相続が発生しました。アパート1棟を所有しておりますが、土地は父が100%所有し、建物は父と母が2分の1の共有でした。
土地に対する地代の支払いはありません。 

10年くらい前から賃貸し続けていますので、貸家建付地の評価と小規模宅地の特例による評価減は適用可能でしょうか。

なお、この土地建物は母が相続し、引き続き賃貸を継続する予定です。

A 貸家建付地の評価と小規模宅地の特例は適用可能です。
ただし、建物はお母様との共有ですので、評価額については、持ち分による計算が必要になります。

敷地面積200m2、路線価10万円、借地権割合70%、借家権割合30%の宅地とした場合で計算してみます。

土地と建物、すべて同一人が所有している場合の評価額は、貸家建付地評価となり、次のようになります。

10万円×200m2×(1-0.7×0.3) = 1,580万円

ただし、建物の半分はお母様が所有し、この部分の地代の支払いがありませんので使用貸借となり、1/2部分は自用地評価となります。

使用貸借は、親子間でよく行われています。
親が所有する土地に、子供が家を建てて住んでいるといった場合、子供は無償で親の土地を借りていることがほとんどです。

この場合、賃貸借ではありませんので借主側の借地権はゼロとなり、貸主側は自用地評価となります。

敷地面積200m2のうち、1/2の100m2は貸家建付地評価で、残りの100m2は自用地評価となります。したがって、土地の評価額は次のようになります。

・ 貸家建付地部分 10万円×100m2×(1-0.7×0.3) = 790万円
・ 自用地部分 10万円×100m2 = 1,000万円

合計 1,790万円が、この土地の評価額となります。

また、小規模宅地の特例は、引き続きお母様が賃貸を継続していますので貸付事業用宅地の評価減の特例が適用となります。

生計一親族が貸付事業を行っていた場合、相続開始時から申告期限まで引き続きその宅地を貸付事業の用に供し、申告期限まで所有していることで敷地面積が最大200m2まで課税価格が50%減額されます。 

お母様所有の部分についても、相続開始前から継続して賃貸していること、お父様の部分については、お母様が引き続き、貸付事業を継続されていますので、土地200m2すべてにおいて、小規模宅地の特例が適用できます。

したがって、評価額 1,790万円×50% = 895万円が、相続税の評価額となります。

今回の場合、土地の評価額については、建物の持ち分割合により貸家建付地と自用地とに分ける必要がありますが、小規模宅地の特例については、条件を満たすことで、すべての部分が適用が可能となります。

《担当:宮田》

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