不動産 税金相談室
住宅ローン控除と3,000万円控除の重複適用【不動産・税金相談室】
2019.08.16
Q 5年前に自宅を買換えたのですが、その際に 3,000万円控除の特例を受け、新たに購入した住宅については、その後、毎年ローン控除を受けています。
この度、税務署よりローン控除の適用を受けることはできないので、修正申告をして欲しい旨の連絡がありました。
今頃になって…とは思うのですが、これはどうしようもないのでしょうか?
A 上記のケースについては、居住用財産を譲渡した場合の 3,000万円控除の特例と、住宅ローン控除は、重複して適用を受けることはできないことになっています。
したがって、ご質問のとおり修正するのは致し方ないかと思われます。
今頃になってと思われるかも知れませんが、実は平成30年12月に国税庁よりお知らせが発表され、次のようなケースで申告誤りが多いことを会計検査院より指摘されたため該当する人には是正を促していくとのことでした。
誤りが多いケースは、次のとおりです。
1.住宅ローン控除と住宅取得資金贈与がある場合
親や祖父母から住宅取得資金の贈与を受けて住宅を取得し、住宅取得資金贈与の非課税特例を受けた場合
この場合には、住宅ローン控除の適用を受けることもできます。
ただし、その計算においては、贈与を受けた金額を建物の取得価額から差し引く必要があります。
その残額について、住宅ローンを使えば、住宅ローン控除も受けられるということです。
この受贈額を差し引かないで計算している誤りが多い、ということです。
2.住宅ローン控除と3,000万円控除の重複適用
ご質問のケースです。
新たに住宅を取得した場合、その年とその前後2年(計5年)の間に、居住用財産を譲渡した場合の 3,000万円控除等の特例の適用を受けた場合は、住宅ローン控除を受けることができません。
3,000万円控除等を受けるか、住宅ローン控除を受けるか、選択をすることになります。
どちらが有利か計算をして、有利な方を選択することになります。
3.住宅取得資金贈与の特例を受ける場合の所得制限
住宅取得資金贈与の非課税特例を受けるためには、贈与を受けた方のその年分の所得が2,000万円以下であることが要件となっています。
この場合の所得は、給与所得者であっても給与だけでなく「合計所得金額」となっていますので、誤って適用を受けてしまう例が多いようです。
2019年4月からの1年間は、消費税率10%で契約した住宅取得は非課税となる贈与額が 3,000万円と大幅に増えていますので、要件には十分注意して活用するようにしてください。
《担当:北岡》
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