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相続時精算課税財産の評価誤りがあった場合 【不動産・税金相談室】

相続時精算課税財産の評価誤りがあった場合 【不動産・税金相談室】

2018.05.11

Q 父が亡くなり、相続税の申告準備をしておりますが、10年ほど前に相続時精算課税によって贈与を受けた土地について、その評価額の誤りがわかりました。

具体的には、2,800万円と評価した土地につき、2,500万円を差し引いた300万円に対して20%(60万円)の贈与税を納付していました。
今回、改めて確認した結果、3,000万円の評価額が正しいと判明しました。

この場合、どのような税務手続きや修正をする必要があるのでしょうか。

A 相続時精算課税は、贈与時に2,500万円まで贈与税がかからないため、一度に多額の贈与が必要な場合等に、よく利用される制度です。

ただし、2,500万円を超える贈与については、一律20%の税率により贈与税を納付する必要があるほか、相続が発生した場合には、相続時精算課税による贈与分を相続財産に加算して「精算」しなければならないなど、一般的な贈与(暦年課税)とは取り扱いが異なっています。

さて、ご質問では過去に相続時精算課税により土地の贈与を受け、さらに2,500万円を超える贈与であったため、一部、贈与税を納めていたようですが、その土地の評価に誤りがあったとのことです。

この場合、原則的な処理としては、過去の相続時精算課税による贈与税申告をやり直すために、修正申告等を行う必要があると考えられます。

ところが、ご質問にあるとおり既に10年程前ということですから、税務署においても更正処分をすることができません(贈与税の除斥期間は6年)。

その結果、過去の贈与税申告については「やり直す必要がない」ということになります。

次に、相続財産に加算すべき評価額は、贈与時の正しい評価額を加算する必要があることから、たとえ過去の贈与税申告をやり直さない場合であっても、誤った評価である2,800万円ではなく、正しい「3,000万円」を加算しなければなりません。

同時に、相続税の申告では相続時精算課税による贈与税についても精算することとなりますが、実際に納付した贈与税は「60万円」ですから、その金額を直すことはできません。

つまり、

1:修正申告等の必要はない

2:相続財産には正しい評価額を加算する

3:精算する贈与税は実際の納付額による

ことにより手続きをしていく必要があります。

なお、仮に贈与税の除斥期間内であれば、修正申告等により過去の贈与税申告時の誤りを是正した上で、正しい評価額・納税額を相続税の申告において加算・精算することとなります。

《担当:樋口》

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