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不動産 税金相談室

お寺への土地の寄附【不動産・税金相談室】

お寺への土地の寄附【不動産・税金相談室】

2016.12.02

Q 私は東京に住んでおりますが、故郷には父から相続した土地が残っており、現在は空き地となっております。
その土地は、我が家の菩提寺に隣接しているため、参詣者の駐車場として使ってもらえるよう無償でお寺へ解放している状況です。

このような経緯から、土地を菩提寺のお寺(宗教法人)へ寄附したいと考えておりますが、寄附にあたっての税金の取り扱いについて教えてください。

A 法人に対して土地を寄附(贈与)した場合は、その土地を時価によって売却したものとして、譲渡所得が生じることとなります。

無償で提供したにもかかわらず、寄附した者に対して譲渡所得が発生するのは気持ちの良い話ではありませんが、税務の考え方としては、取得時から寄附時までの値上がり分に対して、課税が生じるものとして取り扱われるのです。

しかしながら、国や地方公共団体に対して土地を寄附した場合には、それに伴う譲渡所得は、非課税とされております。

同様に、今回のご質問のような宗教法人への寄附、あるいは公益社団法人、公益財団法人、その他公益目的の法人(社会福祉法人や学校法人など)に対して寄附をした場合についても、一定の要件の下、非課税として取り扱われることとなります。

一定の要件とは以下のとおりです。

(1)寄附が、教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること

(2)寄附財産が、その寄附日から2年以内に寄附を受けた法人の公益目的事業に直接供されること(または供される見込みであること)

(3)寄附により、寄附した人の所得税の負担を、不当に減少させる等の結果にならないこと

これら要件を満たす場合には、原則として寄附の日から4ヶ月以内に「承認申請書」を提出しなければなりませんから、手続きにはご注意ください。

ところで、ご質問のケースのほか、たとえばお寺の改修工事などで、寄附を求められる場合もありますが、通常は、ほとんどが現金等での寄附となりますから、今回のような譲渡所得の非課税の手続きは必要ありません。

また、この場合には所得税の寄附金控除に該当する可能性がありますが、寄附金控除の対象として国税庁に指定されているのは、文化的価値の高い有名寺院が大半ですので、一般的な寺院の改修工事などは、寄付金控除の対象外となるケースが多いようです。

ただし、東日本大震災や熊本地震により寺院が損傷した場合の改修工事については、文化的価値が高いと認められる特別な寺院に限らず、寄付金控除の対象として取り扱うよう措置が設けられておりますので、寄附の際にご確認いただきたいと思います。

《担当:樋口》

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