2008/11/14「共有名義でのアパート経営」
Q アパートを購入して、賃貸しようと考えています。この場合に、私だけの 名義で購入するのと、妻と共有名義で購入するのと、確定申告上、どちら が得になるでしょうか? 物件は、1棟(16室)のアパートです。年間家賃収入は、1,300万円程度と 見込んでおります。 A 単独所有と夫婦で共有する場合での有利不利のお話ですが、事業的規模で 賃貸収入も相当額が発生することが予想される場合には、不動産所得の申 告の上では、共有名義で購入されたほうが有利となります。 所得税は、所得が多いほど高い税率が課される「超過累進税率」方式での 課税となっているため、所得が分散されることで、単独で課税されるより も低い税率での課税となり、減税効果があります。 また、事業的規模(賃貸物件を、おおむね5棟又は10室以上所有)で、かつ、 複式簿記の要件を満たせば、65万円の青色申告特別控除が受けられます。 この場合の事業的規模かどうかは、あくまで全体の部屋数で判断しますので、 互いの持分割合で部屋数を按分して考える必要はなく、各人の不動産所得か ら、それぞれ65万円を控除することができます。 ご質問の場合は、部屋数及び収入金額などから事業的規模に該当すると考え られ、所得税や住民税を納税していくうえでは、上記理由などによりメリッ トがあると考えられます。 ただし、登記費用は2人分かかりますし、借入をする場合には、借入費用など も2人分かかることになります。 また、奥様にも所得が発生するため、奥様を扶養とすることが出来なくなっ たり、確定申告の際には、収入金額及び必要経費について、毎年、持分割合 に応じた按分計算をしなければならないという手間がかかってきます。 利点もありますが、最終的には、将来的に売却をする場合や、相続が発生した ときにどのような状況が想定されるのかなども視野に入れたうえで、結論を出 すことが大事かと思われます。 また、出資の割合に応じた登記をしていないと、その差異部分については贈与 税が課されることになりますので、ご注意ください。 ※本文で紹介させて頂いた内容は概略となります。 詳細につきましては税務署または税理士等の専門家にご確認下さい。 《担当:後藤》 ********************************************************************** 掲載の内容は、作成日時点の法令等に基づいております。 実際のお取引の際には、改めて該当法令等をご確認下さい。
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