給与と報酬の違い【実践!社長の財務】第685号

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皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

今年も残りあと2週間ですね。
早い人ですと今週で仕事納め、という方もいるかと思います。

マラソンで言えば、ラスト100mですね。
是非、最後の力を振り絞って、今年の仕事納めテープを切りましょう!

ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。
 

給与と報酬の違い

平成29年度の税制改正は、「働き方改革」が大きなテーマでしたが、これは今後も引き続きテーマになっていきます。

なかでも、先週紹介したように、所得拡大促進税制は賃上げ額の22%を、法人税から控除してくれるという、大幅なインセンティブを与えてくれています。

そこで思ったことは、顧問先でもよく問題になる、給与か報酬かという問題です。

人に対する支払いで、給与になるのか報酬になるのか、ということです。アニメ制作などのクリエイティブな職種や、不動産営業など歩合給的なもので、よく問題が生じます。

雇用関係であれば給与で、給与源泉をしなければならない。業務委託などであれば、報酬として、報酬源泉をすることもある、この業務、働き方はどちらなんだろう、ということですね。

どちらに該当するのかで、いろいろな違いが出てきます。

源泉徴収のしかたが違うだけでなく、給与であれば年末調整で済みますが、報酬の場合は各人が確定申告をしなければなりません。

でも、事業所得で確定申告した方が、経費を多く付けられるので、報酬の方が得だ、というようにも言われていました。

ただし、1つの会社からしか報酬をもらっていないような場合は、意外と控除する経費がないものです。

昨今、経費の計上については税務署も厳しくなっています。
たとえ白色申告でも、収支明細は提出しなければならないし、2014年からは、帳簿も付けて保存しなければならなくなりました。昔あった概算経費率を使うなどは、もってのほかです。

また、給与の支払額には、消費税は含まれていないため、売上にかかる消費税から、仕入税額控除を差引くことはできません。

ただし、報酬として支払う場合には、その報酬額には消費税が含まれているものとして、仕入税額控除をすることができます。

したがって、給与よりも報酬にした方が、控除できる消費税が多くなり、消費税の納税額が減らすことができました。
そのため、意図的に報酬にしている企業もあるくらいです。

ただし、これも消費税が10%に上がった後に、インボイス制度が導入されることになっており、免税業者(課税売上1,000万円以下)への支払いに関しては、仕入税額控除が徐々にできなくなっていきます。

今までは、雇用関係で給与にするよりも、業務委託で報酬にした方が、税務的にメリットが多い、ということで、業務委託契約にしているケースが多々見受けられました。

ただ、上記のようにそのメリットもなくなりつつあります。

さらに、今回の所得拡大促進税制の拡充は、雇用関係のある給与を増額した場合の税額控除です。報酬には適用されません。

そこで、今後、無理やり業務委託の形をとっているようなケースは、正しく雇用契約に戻して、その分の給与増加額に対して所得拡大促進税制の恩恵を受ける、ということも考えられるのではないでしょうか?

報酬から給与になれば、かなり法人の税額が減るかも知れません。検討に値すると思います。

ただし、当然ではありますが、雇用関係になれば社会保険の加入義務はありますし、今問題になっている労務問題もしっかり対応していく必要があります。

これらを総合的に考えて、企業の中でも、働き方改革、支払い方改革を考えていって欲しいですね。

編集後記

仕事納めと共に忘年会納めでもありますね。今年はほとんど毎日何か入っていましたが、スケジュールを見ながら、よくこれだけの忘年会が違う日にきちんと入ったなと、変な感心をしています...(笑)。

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