値入率という観点【実践!社長の財務】第681号

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stevepb / Pixabay

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

税制改正論議が、盛んになってきました。

会社分割などの組織再編は、税制特例などが設けられていますが、今回は事業譲渡のような形でも、非課税措置を設けようなどという動きも出ています。

やる気のある人が外に飛び出して、事業を起こしていく後押しを、税制がどんどんやってくれるのは、いいことですね。

ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。 
 

値入率という観点

粗利益は、売上高から売上原価を差し引いたものです。

これは、企業の利益の大元となる重要な利益であることは、皆様よくご存知のとおりです。

売価の設定を間違えると、この粗利益が取れなくなり、いくら社員が一生懸命働いても、利益が出ない、赤字から脱却できない、ということになってしまいます。

そんな「骨折り損のくたびれ儲け」にならないよう、じっくり考えて値決めをしなければなりません。

そこで参考になるのが、小売や卸などの流通業界で、よく使われる値入率(ねいれりつ)という指標です。

値入率とは、売価の中の利益の割合です。次のような計算式になります。
値入率 =(売価-仕入原価)/売価 

何だ、粗利益率と同じじゃないか、と思われるかも知れません。

ただ、粗利益率は結果であるのに対し、値入率は事前に使う率です。

すなわち、仕入原価に対して、何%の値入率を設定して売価を付けていくか、という事前の価格設定に使う率なのです。

基本的に、粗利益率は、値入率より高くはなりません。

在庫のロスや、値引きなどがあるからです。

したがって、ある一定の粗利益率を取りたかったら、それより高い値入率で、価格設定を行わなければいけません。

粗利益率を30%取りたかったら、たとえば値入率は35%で値決めをしなければなりません。

65円で仕入れた商品で、粗利を30%取りたければ、値入率35%とすれば、売価は次のように決めていきます。

売価 = 65円÷(100%-35%)= 100円

このままの価格で売れれば、35%の粗利益率になりますが、ロスや値引きやら、場合によっては万引きなどによって、粗利益率は下がってしまうのです。

この値入率は、小売店、スーパーなどではよく使われている、意識されている率です。

先週も、あるリサイクルショップの経営者から、この話を聞きました。

リサイクルショップでは、中古として買い取った商品にいかに値決めをするか、そこでは値入率が大変重要な指標になってきます。

特に多店舗展開すれば、各店舗で買い取り、値決めをしていかなければなりませんから、値入率をいかに設定するかは、死活問題になってきます。

この値入率の考え方は、小売業や卸売業に限ったものではありません。

他の業種でも、参考になるのではないでしょうか?

もちろん、値決めはこれだけの要素では決められませんが、値決めの1指標として考えてみてはいかがでしょうか?

 

編集後記

先週末は、妻の母の33回忌で熊本に行ってきました。地震でかなり痛められた家での法事でした。

義父も今年亡くなったため、今は誰も住んでおらず、もう「とく」しかないかなあ、という状態でした。

ちなみに熊本で「とく」というと、取り壊す、解体するという意味だそうです。最初は、何言ってるんだか、わかりませんでしたが…(笑)。

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