積んでおかないと落とせなくなる【実践!社長の財務】第525号

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おはようございます。
税理士の北岡修一です。

先週19日は、出版記念講演を行いました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございます。

改めてこのメルマガで書いてきた、財務から強い会社・儲かる会社を作る、ということでお話しました。

財務というよりも、経営に対する考え方、のお話になりました。

やはり、いい会社にするためには、そのトップである社長が、会社について、経営について、社員について、どのような思いを持っているか、ということが重要なのだと思います。

正しい考えさえ持っていれば、必ず会社は伸びると、確信しています。

自分でセミナーをやりながら、改めて気づいたことです。

今後ともそのような観点で、本メルマガを継続していきますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
 

積んでおかないと落とせなくなる

何のことかと言えば、貸倒引当金のことです。

ご存知のように、貸倒引当金とは、売掛金や貸付金などについて、その貸し倒れの危険性に備えて、あらかじめ費用を計上し、引当金として積み立てておくものです。

債権を100%確実に回収できるなら、貸倒引当金などいらないのですが、絶対ということはあり得ません。

安心だと思っていた会社でも、何が起こるかわからないのが、ビジネスの世界です。

そこであらかじめ貸倒引当金を、債権の一定割合、あるいは危険性の高い先については、個別に金額を査定して積んでおくというようなことをします。

ただ、この貸倒引当金を積む時の費用、すなわち繰入れ損は、税務上はかなり制限されています。

損金として認めてくれる範囲が、ものすごく少ないのです。これは年々縮小されています。

ですから、まともに貸倒引当金を積もうと思ったら、税金を払いながら積まなくてはいけないのです。

そこで、損金で落ちないのなら、積んでもしょうがないよ、ということで、貸倒引当金を積まないことも多いですね。中小、零細企業は特に。

決算書は、税務申告や銀行提出のために作る、ということしか考えていないと、そのためにならないものは、やらないという考えが多いのです。

でも、貸倒引当金を積んでおかないと、いざ、という時になかなか落とせなくなってしまうことも多いのです。

どういうことか?

いざという時とは、すなわち貸し倒れが発生した時です。

業績が悪くなってどうしても払えない、大きな損を被って倒産した、廃業した、夜逃げした、などが起こった時です。

貸倒引当金を積んでおかなくても、貸し倒れになった時に落とせばいいかと思っているかも知れません。

でも、貸し倒れが発生した時に、こちらの方も業績が悪いかも知れません。

それを貸倒損失にしてしまうと、赤字になってしまうかも知れないのです。

そんな時は、貸し倒れが発生したとしても、なかなか損失として落とすことができません。

貸倒引当金を積んでいるということは、既に過去に損失として落としている、ということです。

業績の良い時に貸倒引当金を積んで、損失として落としておけば、いざ貸し倒れが発生した時には、単純にその債権と貸倒引当金を相殺すればいいだけです。

すなわち、貸し倒れが発生しても、損失が出ないわけですね。

だから、貸倒引当金は、税務上損金で落ちるかどうかに関係なく、やはりその懸念がある場合は、あらかじめ積んでおく方がよいわけです。

毎期少しずつ積んで、不測の事態に備えておけば、いざという時に、最小限の傷で収まるわけですね。

是非、そのようなことも考えて会計処理を行っておいてください。

編集後記

今日は日帰りで岐阜に行ってきます。そのためにちょっと週末&朝早くからエンジン全開でやるべきことをやっています。
やはり朝というのはいいですよ。集中力が違いますよね。
このメルマガも月曜日の朝にならないと、インスピレーションが湧いてこないという、習慣になってしまいましたね。

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