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実践!社長の財務

原価率よりも回転率?【実践!社長の財務】第513号

原価率よりも回転率?【実践!社長の財務】第513号

2013.09.02

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

8月も終わり、9月に入りました。

どうやら消費増税はそのまま実施、という意見が多いようですが、まだまだ慎重に検討するとのことです。

そうやって世論の合意を作っていくのかなあ、とは思いますが、価格表示の変更なども10月から可能になるので、早目に決めてしまった方がいいと思いますが、いかがでしょうか?
 
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!

原価率よりも回転率?

皆様は、「俺のフレンチ」とか「俺のイタリアン」行ったことありますか?

行きたいけど、行列がすごいので、まだ行けてない、という人も多いのでは? と思います。

銀座8丁目に集中出店している「俺の○○」シリーズ、実はブックオフの創業者、坂本孝氏が始めたというのは、ご存知ですか?

坂本氏は、ブックオフでもそうでしたが、業界の常識を破る自由な発想で、新たなビジネスモデルを作る天才ですね!

坂本氏は、飲食業を始めるにあたって、今、繁盛しているのはどんな業態の店か、調べたそうです。

そうすると、繁盛しているのは、2つしかないと気付いたのです。

「立ち飲み居酒屋」と「ミシュランガイドの星付きレストラン」です。

そこですごいのは、この2つをくっ付けちゃおう、という発想ですね...。

まあ、普通だったらどちらかの店をベースに、新たなものを付け加えて、みたいなことなんでしょうが...。

まさか、立ち飲みスタイルで、星付きレストラン出身の一流シェフが、最高の材料を使ったフランス料理を、立ち飲み料金で出すなんて、考えられませんね…

それを実現しちゃったんだから、坂本氏は本当にスゴイです。

ただ、思いつきだけで、こんな常識はずれのお店を経営していけるわけがありません。

そこには、緻密な数字の計算があります。

 
食事から飲み物から入れて、客単価3,000円で、なぜこんなに一流の材料で、美味しいものが出せるのでしょうか?

通常、飲食業の場合、食材の原価は高くても30%以内とされています。それが常識です。フランス料理なんかの場合であれば、20%を切るのではないかと思います。

それくらいでないと、合いません。経営をやっていけなくなってしまいます。

では、なぜ3,000円でできるのか?

俺の○○では、食材の原価率は60%を超えているといいます。通常の3倍以上ですね!

これでも、やっていける理由は、ズバリ「回転率」です。

「立ち飲み」という形態をとることにより、回転率を大幅に上げて、利益額をとっていくわけですね。

計算によれば、回転数が2.5回転以上あれば、黒字になるといいます。

席数(立ち飲みだからそう言わないか?(笑))が、50であれば、125人以上来てくれれば、黒字になる、ということです。

俺の○○では、どの店でも3回転以上はしているそうですから、十分黒字でやっていけます。

だから、坂本社長は「原価を、ジャブジャブ使ってもいい」とシェフに言っているそうです(笑)。

ホント、常識はずれですね。他の飲食店経営者が聞いたら、飛び上っちゃいますね!

ちなみに、回転数が4回転あれば、食材の原価率は、88%でも黒字になるとの試算も出ています。

通常の座り形式のレストランでは、客単価8,000円でも、原価率を17%以下にしないと、黒字を出すことはできません。

この場合の回転数は、0.75回転を想定しています。
フレンチなどを見ていると、1日せいぜい1回転ですよね。

4人席に3人しか座らないこともあるので、0.75回転ということで計算しています。

 
要は、飲食店経営の常識であった「原価率」よりも、実は、「回転率」の方が、利益を上げるためには、重要な要素であった、ということです
 
そのために、一流シェフ→美味しい→立ち飲み→安い→話題性→行列→回転数アップ→利益増
 
という良い循環が生まれたのですね。

このようなビジネスモデルを見ながら、是非、皆様も頭の体操をして欲しいですね。

詳しくは、坂本氏の著書を是非、お読みください。

「俺のイタリアン、俺のフレンチ-ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方」
http://shogyokai.net/tachiyomi/books/oreno_itarian_frenchi.html

 

編集後記

昨晩は不意に、大阪で働いている息子が帰ってきました。
友達と山梨に遊びに行ったけども、車が渋滞して新幹線に間に合わなくなってしまったとのことで。久しぶりに一緒
にビールを飲みましたが、先ほど、5時前に帰って行きました。朝一の新幹線に乗れば、会社には間に合うとのこと。大阪って結構近いものですね。

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